第5章塩分の測定-nationaloceanographicdatacenter.docVIP

第5章　塩分の測定 1.0　測定範囲と適用分野 本章では、海水の塩分の測定法について記述する。本方法では、海洋の（0.005 – 42）のレベルに適用される。本法では、洋の塩分レベル2 - 42の定量に適用される。本方法はGuildline Instruments　社（1978）の測定法を改良したものである。 2.0　定義 海水試料の実用的塩分 S の測定は、電気伝導度（伝導度）の測定の測定による。1978年に定義された実用塩分スケール（PSS 78）は、15 °Cで1気圧において、溶液1 kgあたり32.4356 gの塩化カリウム KCl を含む溶液に対する海水試料の伝導度の比（K15）の関数として表されている。 3.0　測定の原理 海水試料の伝導度比の測定には、一定温度下で塩分計を用いる。資料は、伝導度セルに圧入される。伝導度セルは、資料の伝導度に比例する電気信号を発生する。あらかじめ装置内部に組み込まれている電気参照回路を介して、これらの信号は伝導度比に変換される。塩分計に表示される数字は伝導度比の2倍の値である。内部参照回路は、公認されているIAPSOの標準海水で標準化する。 4.0　装置 Guildline モデル 8400AAutosal 塩分計。このAutosalは、4つの電極が方式を採用しており、海水試料の伝導度比を1分以内に測定できる。この機器で測定できる塩分の範囲はおよそ0.005 - 42で、製造元が述べている正確さは± 0.003である。実際には、注意深く分析すれば、0.001の正確さで測定することが可能である。 5.0　試薬 IAPSO標準海水。 機器の校正に用いる標準海水。 6.0　試料採取 塩分測定用の試料は、あらゆる深度でニスキン採水器を用いて採取する。これらの試料は、酸素と二酸化炭素用の試水を取ってから採水する。容器は、プラスチックのねじぶたのついた125 mlか250 mlのホウケイ酸ガラス瓶である。より確実に栓をするために、ねじぶたにの中にプラスチック製のパッキングを用いる。それ以前に使用した海水の残りは、次に瓶を使用する時までそのまま残しておく。これは、蒸発により塩の結晶ができるのを防ぎ、海水とガラスとの平衡を保たせるためである。新しい試料を採るときには古い海水を捨て、新しい海水で瓶を3回洗う。そして、瓶の肩まで試料水をつめる。瓶の首とふたの内部はキムワイプで拭いて乾かす。そしてふたをして、しっかりしめる。これらの試料は後の測定のため、採水後（1 - 5日）まで恒温室に保存する。瓶は6ヶ月ごとに1 M HClを用いて酸洗浄し、脱イオン水とMilli-Q水ですすぐ。この酸洗浄を行った後の採水時には、試料を満たす前に5回、十分な量の海水ですすぐ。 7.0　操作手順 海水試料は、Guildline Autosal 8400A研究室用塩分計を用いて、メーカーが推奨している手順で分析する。 塩分計は、IAPSOの標準海水で検定する。試料の測定の前に2つの標準海水について測定する。2つの標準海水の測定値が一致したら、試料の測定にかかる。測定終了時に、機器のドリフトをチェックするために2つの新しい標準海水を測定する。通常ドリフトは0である。以上の手順を用いた場合、この装置では、塩分を±（0.001 - 0.002）の精度で測定することが可能である。 　計算と結果の表示 塩分の計算は、1978年の実用的塩分の定義（UNESCO, 1978）に沿って行う。以下に、塩分計によって測定された伝導度比から塩分を計算するのに必要な式を挙げる。 S a0 + a1RT1/2 +a2RT+ a3RT3/2+ a4RT2+ a5RT5/2 + T–15 / 1+kT-15 b0 + b1RT1/2 +b2RT+ b3RT3/2+ b4RT2+ b5RT5/2 ここで a0 0.0080 b0 0.0005 a1 -0.1692 b1 -0.0056 a2 25.3851 b2 -0.0066 a3 14.0941 b3 0.0375 a4 -7.0261 b4 0.0636 a5 2.7081 b5 -0.0144 k 0.0162 RT 試料の導度比（ 塩分計の読みの0.5倍） T 塩分計の恒温槽の温度 　　ただし -2℃　　≦　　T　　≦　　35℃ 2　　≦　　S　　≦　　42 データの質の保証 9.1データの質の管理: 測定した試料水の塩分とCTDキャストで得られた塩分の鉛直分布を比較して、はずれているものがないかどうか確かめる。測定したガラス瓶試料の塩分をポテンシャル温度に対してプロットし、CTDデータと重ねてみる。検定の問題や、異常な値をチェックするために、その時系列