学習の多様性と個人差.pptVIP

伊藤　崇 北海道大学大学院教育学研究院 教育心理学 学習の多様性と個人差 記憶，推理，判断などの知的機能の発達に有意な遅れがみられ，社会生活などへの適応が難しい状態 知的障害 参考）2014年度　幼稚園児人数：約160万人 　小学校在籍児数：約660万人 % 2014年度特別支援学校に通う幼児?児童数 　幼稚部：513人 　小学部：12,117人 （文部科学省統計資料より作成） 1 知的障害とは 参考）2014年度　小学校在籍児数：約660万人 千人 2014年度　特別支援学級に通う児童数 　129,018人 （文部科学省統計資料より作成） 2 知的障害とは 記憶，推理，判断などの知的機能の発達に有意な遅れがみられ，社会生活などへの適応が難しい状態 知的障害 特別支援学校?特別支援学級に在籍する知的障害児数の年次推移 （文部科学省統計資料より作成） 人 3 知的障害とは 知能 Intelligence ●問題を解決して新しい環境に　適応するための総合的な能力●知恵＋知識 知能指数 Intelligence Quotient; IQ ●知能検査の結果。知能を示す指標の１つ 知能検査 Intelligence Test ●個人の知能を客観的に測定するための道具 4 知能とは 標準 （全体の95%） 　障害?遅滞の可能性（全体の約2%） ?（全体の約2%） 人数 知能検査結果 DIQ 70 DIQ 130 DIQ 100 5 知能とは スピアマンの２因子説（1908年）　一般因子g（どんな課題にも用いられる共通の知的能力）　特殊因子（ある課題を解くために必要な能力） サーストンの多因子説（1938年）　数?言語理解?語の流暢さ?連想記憶?帰納的推理?　空間?知覚速度 キャッテルの２因子説（1957年）　結晶性知能：経験から習得された個別で特殊な知識　流動性知能：新しい状況に適応するのに用いられる， 一般的な問題解決能力 6 知能とは ターマン Lewis M. Terman 1877-1956 ビネー Alfred Binet 1857-1911 1916年米スタンフォード大にてビネー?シモン検査の改良版を開発，IQの実用化 1905年フランスの就学困難児を選別する方法として ビネー?シモン検査開発 ビネー式知能検査 7 知能の測定方法とその歴史 ３歳 ４歳 ５歳 ?絵の説明をする ?２つの数を復唱する ?顔の目?鼻?口を指す ?名字を答える ?物の名前を答える ?３つの数を復唱する ?性別を答える ?正方形の模写 ?はめ絵遊び ?２個のおもりの比較 ?お金を数える ?文の復唱をする 易 難 ビネー?シモン知能検査：精神年齢で知能を測定 8 知能の測定方法とその歴史 スタンフォード?ビネー知能検査：知能指数を実用化 精神年齢 生活年齢 ×100＝知能指数 ウェクスラー式知能検査など：集団内の相対的な位置をあらわす偏差知能指数を採用 15× 個人の得点ーその年齢集団の平均点 ＋100＝偏差知能指数 9 知能の測定方法とその歴史 その年齢集団の標準偏差（分布のばらつき具合を示す値） ウェクスラー David Wechsler 1896-1981 ウェクスラー式知能検査（1939年） 　知能＝言語知能＋運動知能と仮定　言語性検査と運動性検査から成る 成人用：WAIS-III児童用：WISC-IV 幼児用：WPPSI 知能の測定方法とその歴史 10 WISC-IV ?適用年齢：5歳0ヶ月～16歳11ヶ月 ?所要時間：45-60分程度 全検査IQ 言語理解 知覚推理 ワーキングメモリ 処理速度 言語的情報や，自分自身が持つ言語的な知識を 状況に合わせて応用する能力 視覚的な情報を取り込み，各部分を関連づけ全体としてまとめる能力 注意を持続させ，聴覚的な情報を 正確に取り込み，記憶する能力 視覚的な情報を事務的に，数多く正確に 処理する能力 知的障害の診断と支援の実際 11 言語理解 知覚推理 ワーキングメモリ 処理速度 ①類似 　２つの言葉の　共通点 ②単語 　言葉の意味 ③理解 　常識問題や　社会のルール ④積木模様 　モデル通りに 　積木を構成 ⑤絵の概念 　共通の特徴を　もつように　絵を選択 ⑥行列推理 　法則性を見つけ　空欄に該当する 　絵を選択 ⑦数唱 　数字の列を　そのまま／　逆順に復唱 ⑧語音整列 　数と文字の　組合せを，数は　昇順，文字は　あいうえお順に　並べる ⑨符号 　図形?数と　対になった　記号を書き写す ⑩記号 　示された記号と　同じものを探す 知的障害の診断と支援