12．仕事率をはかろう-岐阜県まるごと学園.doc

１２．仕事率をはかろう………………………… 実験の概略　 ヒトが，階段を駆け上がるときの仕事率を求める。次に，モーターがおもりを持ち上げるときの仕事率を求める。 実験のねらいと位置づけ　 この実験は指導要領の「（１）自然の探求　ア　自然の探求」あるいは，「（２）資源?エネルギーと人間生活　イ　いろいろなエネルギー　（ア）仕事と熱」の中に位置づけられるものである。 ヒトがする仕事と，モーター（電流）がする仕事の仕事率を求めることによって，一見関係のない現象がエネルギーの考え方によって互いに関連しているととらえられることに気づかせる。 準　　備 モーターの仕事率の測定では，ソーラーパネル用のモーターを使うと，おもりの動きが遅くなり，測定がしやすい。 糸をモーターの軸に固定するには，モーター軸にちょうどかぶさる細いアルミパイプを用いると便利である。 指導上の留意点 方法について 階段を駆け上がるときに，転んだり，衝突したりしないよう注意する。 モーターの仕事率の測定では，持ち上がる範囲で重めのおもりを用い，おもりの速さが速くならないようにしたほうが測定しやすい。 結果について 階段の高さ，おもりの質量の単位に注意する。 記　入　例 ヒトが階段をかけ上がるときの仕事率 階段１段の高さを測定する。　　　　　　　　０．１９　ｍ １階から３階までの段数を数える。　　　　　　４０　　段 ストップウォッチを持った人が１階から３階までかけ上がり，かかった時間を測定する。 かかった時間ｔ＝　　１４　　ｓ 体重（衣服を含めた質量）を測定する。 質量ｍ＝ 　　７０　　㎏ 仕事率を求める。重力加速度 ｇ＝9.8[m/s２] 仕事率Ｐ＝ｍｇｈ／ｔ＝ 　３７０　　Ｗ １[ｐｓ]＝736[Ｗ]から，Ｐを馬力の単位で表す。 ３７０／７３６＝ ０．５０　　ｐｓ モーターの仕事率 モーターを固定し，電源装置に接続する。 糸でモーターに20(程度のおもりをつるす。 おもりの質量ｍ＝ ０．０２０ ㎏ 電源装置の電圧を次第に上げ，おもりが持ち上がる電圧を見つける。 おもりが50㎝持ち上がるのにかかる時間を測定する。 高さｈ＝ ０．５０ ｍ 時間ｔ＝　　２．４ ｓ 仕事率を求める。 仕事率Ｐ＝ｍｇｈ／ｔ＝ ０．０４１ Ｗ 評　　価 学習項目 関心?意欲?態度 思考?判断 実験?観察の 技能?表現 知識?理解 実験内容の把握 ?仕事率を求める方法を考えようとする。 ?仕事率を求めるために何を測定すればよいのかに気づく。 ?仕事率の定義を理解している。 １ヒトが階段をかけ上がるときの仕事率 ?積極的に実験に取り組む。 ?仕事率を求めることがでる。 ?安全を考え，適切に実験，測定ができる。 ２モーターの仕事率 ?積極的に実験に取り組む。 ?仕事率を求めることができる。 ?安全を考え，適切に実験，測定ができる。 発展 ?様々な熱機関の仕事率を調べたりできる。 ?モーターの仕事率と消費電力との関係について考察できる。 ?自分の考え，感想を表現できる ?モーターの消費電力を求めることができる。 メ　　モ 実験の評価 クラス 生徒の状況 注意が必要な箇所 改善を要するところ １３．位置エネルギー?運動エネルギーの測定… 実験の概略　 運動摩擦力が運動の状態によらず大きさが一定であることを利用して，簡易エネルギー測定器を作成し，これを用いて重力による位置エネルギーが高さ?質量に比例すること，運動エネルギーが速さの２乗?質量に比例することを実験的に確かめる。また，摩擦力を測定し，その仕事量が各エネルギーと一致することを確かめる。 実験のねらいと位置づけ　 学習指導要領では「位置および運動のエネルギーの考えを仕事の概念と結びつけて扱うこと」とされている。そこでエネルギーを持った物体に仕事をさせ，その仕事量から物体が持っていたエネルギー量を測定する方法が適当と思われる。 物体にさせる仕事としては，一定の摩擦抵抗がある糸を引かせることを取り入れ，「簡易エネルギー測定器」を製作する。 この測定器では，物体の持っていたエネルギーの量は，糸の摩擦力と，物体がエネルギーを失うまで引くことができた糸の長さで推測される。また，糸の摩擦力を一定に保てば，各種の物体の，持つエネルギー量の比較を，物体が引いた糸の長さのみで容易に行うことができる。この測定器を用いて生徒が他の色々なエネルギーの測定に興味を持って，発展的な実験を考案することも期待できる。 準　　備 簡易エネルギー測定器の作成のために　洗濯バサミ，電池ホルダー，