日本文学b课件.pptVIP

四、近世の文学 １．文学理念：芭風俳諧「さび」「軽み」「細み」、町人文学一般に通じる通、粋など多種多様である。 2、上方文学：十七世紀後半から十八世紀のはじめにかけて、京都、大阪を中心とする上方文学が起こった。上方文学は産業の発達に伴う京阪の新興町人階級の台頭を背景として近代文学の最盛期を演出した。 3、井原西鶴は矢数俳諧が得意である。 矢数俳諧とは一定的時間内に独吟でどれだけの句ができるかを競う遊戯である。 4．「旅に病んで夢は枯野を駆け回る」：旅の途中で病床に臥すことになったが旅を諦められず、夢は枯野を駆け巡っている。 5、蕉風の理念：「さび」「しおり」「細み」「軽み」 「さび」：中世以来の幽玄に閑寂な色合いを加えた深くかすかな美的情緒である。 「しおり」：対象を眺めるしみじみとした哀憐の情が自然に句の姿に表れたもので、用語や素材が哀れっぽいものではない。 「細み」：作者の心が一本筋で深く微細に通じていくことをいう。 「軽み」：さびから転じた理念で、重厚な俳風から脱し、日常感覚による率直な句風をさす。 五、近代の文学 1、明治維新から現在まで 2、和洋折衷：日本風と西洋風の様式を取り混ぜること 3、雅俗折衷体：王朝風の雅やかな文体と現代風の俗語体を取り混ぜること 4、ロマン主義：古典主義と啓蒙主義への反動として、十八世紀末から十九世紀前半までヨーロッパで生じた主情的、主我的な芸術と思想の潮流である。日本では反封建の社会からの「自我」の確立と解放を求めること。 5、没理想論争：坪内逍遥「帰納的批判」と「没理想」 森鴎外「演繹的批判」と「理想と美」 6、「人生相渉論争」：北村透谷と山路愛山 7、日本の自然主義：①自然主義は十九世紀後半のフランスを中心に、エミーゾラらによって提唱された文学運動であり、自然科学方法と実証主義とを重視、現実をありのままに描写しようとした文学である。②日本における自然主義は大きな特徴がゾラの写実的観察態度と自我解放を目指したロマン主義とが一体化するという。そのため、日本の自然主義は告白文学が主流となり、社会的な広がりを持つことができずに人生を諦観しまうという限界をはじめから内包していたといえる。その結果、日本の自然主義はやがて私小説と心境小説への道を歩むこととなる。 * * 服部土芳「不易流行」：「不易」は芸術が永遠に変わらないこと。「流行」は移り変わる芸術である。芸術には二つの側面があり、芸術はすべてその本質を離れてはならず固定してはならない。 8、私小説：作者の心情をより深く書き出したもの。 9、心境小説：作者の身辺の出来事や心情を一人称で語る小説形式。 10、田山花袋 　①代表作品：「蒲団」「生」「妻」「縁」 　②「平面描写」：対象の内部に入らず、作者は見たまま触れたままの現象を書くという小説創作の方法である。 　③「技巧否定、事実尊重」 11、岩野泡鳴 　「一元描写」：平面描写に対して、作品中の人物の主観視点を一つ定め、そこから対象を書くという岩野泡鳴の主張した小説の方法。 12、夏目漱石 　①写生文：正岡子規が「叙事文」として提唱し、虚子らが受け継いだ対　象をありのままに写し取ることを主眼とした写生論の影響を受けた文章である。 ②「余裕派」：「低回趣味」を説いたため。俗世間を離れて余裕のある態度で事物を眺める低回趣味という。 ③「則天去私」：天意に従い、我執を捨て去る。 14、森鴎外： 　①「レジグナチオン」：「諦め、断念」といった意味 　②「かのように哲学」：実在しないものを実在するかのように想定する考え方 　③「歴史そのまま」：歴史のなかの「自然」を尊重する考え方 　　「歴史離れ」：歴史のなかの「自然」を変更する考え方が「歴史ばなれ」とされる。 15、「白樺論争」：生田長江と和辻哲郎 16、新思潮派：現実を冷静に観察し、理知的にとらえ、技巧的に表現しようとしたのが新現実主義の文学で、その代表的な人々が同人誌「新思潮」に集まった。いわゆる新思潮派の作家たちであった。 17、新技巧派：芥川は題材や作風を工夫し、素材を「今昔物語集」などの古典にも求め、歴史小説に新しい領域を開拓した。また心理分析などの技巧、構成の見事さ、洗練された文体などから新技巧派ともよばれる。 18、大正期の論争：作品の内容的価値をめぐり、菊池寛と里見弓亨　「内容的価値論争」。散文の芸術の特色をめぐり、広津和郎、佐藤春夫と生田長江　「散文芸術論争」 19、新感覚派：川端康成、横光利一らは従来の写実表現方法を否定し、擬人法や比喩などを用いて感覚面であざやかなイメージを描きだしたため、新感覚派と呼ばれた。 20、近代の超克：西欧近代の知性に対して、日本的知性の新秩序を生みだそうという意図であったが結果として知識人が戦争協力