第5章火灾爆発灾害-Wakwak.doc

PAGE  PAGE 29 火災?爆発の点火源 5－1　電気火災の現象 1　電気火災の一般 　「火の無い所に煙は立たぬ」といわれますが、電気エネルギーは一種の火種とみられます。電気の熱源と見られる現象には次の3点が上げられます。 電気設備は本質的に使用することにより、熱の発生が伴います。この熱が火災発生に関与するかであります。 不適正な電気機器の使用をしていないか、事故時には必然的に不測の熱の発生を伴います。 電気設備から発生する開閉火花等は「点火源」となります。開閉火花には、開閉器の開閉時、端子等の接続時、異常開閉火花等があります。 表5－1に「電気火災の大分類」、表5-2に「電気火災の原因別分類を示します。 機器別現象別使用箇所別予防の方法高圧機器 変圧器 配線及び機器 電気機器短絡 接触不良 過負荷使用 混触工事中に発生 取り扱い不全 不安全使用の放置漏電遮断器による防止 機器の過熱防止を防止 電気絶縁状態の点検 電気火花の防止 表5-1　電気火災の大分類 発火源被災割合防止の考え方電熱器具類 電気機器、装置 配線、配線器具 漏電 静電気火花 雷 その他ⅰ/3強 ⅰ/4 1/4 1/20以下 1/20以下 1/20以下 1/20以下異常使用の禁止、過熱放置の禁止等 増設、負荷増等のときは内容を検討する 容量に合った適正の使用、不良器具の禁止 可能な範囲に適用 危険物の使用箇所での厳正管理 避雷器等の設置 使用年数に応じて点検を強化する 表5-2　電気火災の原因別分類 　電気に起因する災害の中で、火災?爆発と人身災害の占める割合は多く、災害発生件数としては少ないですが、重篤度からいうと、重要な課題です。 　電気火災は全火災件数の約10％といわれますが、火災の大半は負荷側における電気機器、器具、配線等の取り扱い不備から発生するものです。電気の流れを想定することは難しくいろいろなケースが考えられます?そのことと、電気的知識が乏しく取り扱い方法が判らない場合や認識不測で電気火災を引き起こすことが多いわけです。 (1)　電気火災 　電気設備は、過負荷による使用、異常な使い方によっては、自然発火性があり、接点等から発生する電気火花は、物質の物性に伴い点火源となります。 　電気火災を発生させないためには、どのようなことがあるのか、要点を上げると次のようなことがあります。 電気機器には安全に使用するため、安全のための定格を定めています?定格電圧(単相か、三相か)以内で使用すします。また、定格電流以内で使用します。 配線の容量は、決められた使用電圧、定格電流に耐えられるものであることです。 電気機器、布線等は決められた温度以上で使用しますと、火災の発生原因や絶縁不良を起こします。余裕をもった設計になっているかを検証します。 電気機器や配線は、対応してない場合、水の中(化学性料品等)や湿度の高い(90％以上)ところに曝しておくと、配線類が痛んだり、絶縁不良を誘発したりします。結果的には、火災や感電危険性を生みます。 電気の配線端子(締め付け部分)の弛み、接触部の弛み、汚損部分は火災の発生の起因となったり、トラッキング現象を起こしたりします。これらの危険性を排除します。 電気的火花、高温部分は(危険物等)の点火源となり、火災?爆発事故を誘発します。近接の物性を把握しておく必要があります。 同様なことが静電気の発生によっても起こります。(後述します。) 電気機器及び布線等は放熱が悪いと温度が上昇して火災の起因となります。 定格電流は放熱状態により決まります。 電気事故の主なものとして、線間短絡と対地間の地絡があります。線間短絡は遮断器により、地絡事故は漏電遮断器(火災事故は警報器、この警報器は感電の防止には不可)等で防止します。 (2)　低圧の電気火災 　電気火災の多くは低圧電気によるものです。低圧電気による火災原因は、維持管理不良、取り扱い不良と言われる電気知識の欠如によるものです。因みに東京消防庁の発表資料を示せば図のとおりです。一般的に取り上げられている火災の起因となる現象は次のようなものです。 図5－1　　東京消防庁発表資料 トラッキング現象 　　電気の取り扱い不良と見られるもので，コンセント部分や端子等の活線部分に、ほこりがたまったり、湿気や化学物質等が吸着しますと当該部分に微小電流が流れて絶縁破壊を起こし、部分短絡現象が発生して、そのことが火災を誘発するものです。トラッキング現象といい、火災に発展したときをトラッキング火災と言っています? 　　コンセントやテーブルタップに長期間電源プラグを差し込んだままにしたり、使用しないコンセント等には、隙間に除々にほこりが溜まったり、ほこりに湿