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「原発問題を社会学的視点から考える」 ・社会とは？社会学とは？ 社会とは Wikipedia によると，「人間と人間のあらゆる関係を指すものであり，社会の範囲は非常に 幅広く単一の組織や結社などの部分社会から国民を包括する全体社会までさまざまである」(* 1 よ り引用) とされている．また，社会学とは「社会現象の実態や、現象の起こる原因に関するメカニズ ム（因果関係）を解明するための学問である」(*2 より引用) とされている．よってここでは東日本大震 がきっかけとなって起きた社会現象について，震災後に起きた原発反対運動を具体例に挙げ，社 会学的に考察していきたい． ・東日本大震災の発生 2011 年の 3 月１１日に東北地方太平洋沖で強い地震が発生し，津波によって多数の建造物が被 害をうけ，大勢の人が亡くなり，現在でも消息不明の方は大勢いる．また，原発事故による放射能 汚染の問題によって避難生活を余儀なくされた人々がいるということや，放射能を浴びた瓦礫の引 き受け，原発事故に対する政府の対応の遅さなどの問題が連日取り上げられていたが，現在では 「あれから～年」という形の特集番組によって報道されるなど，震災を風化させてしまうのではないか という懸念もある． ・地震による原発事故とその後の国民の反応 地震が起きるまで原子力発電は画期的な発電方法とされていた．地球温暖化の原因とされている 二酸化炭素の排出は抑えられ，かつ安全で安定した供給ができると言われていたのだ．しかし，太 平洋沖の大地震とともに原発の安全神話は崩壊することになった．津波の影響などにより，原子力 発電所は被害を受け水素爆発が起こり放射能の拡散という不安が人々を襲うことになった．さらに， 避難区域指定された地域の住民は自宅に帰ることができず，避難所や仮設住宅での生活を余儀 なくされた．この結果，今回の原発事故で建物の老朽化や政府の対応の悪さが目立つようになり， 国民の不満と怒りは東京電力と当時の与党，民主党に向けられることになった．各地で原発反対 運動が起こり，野党も「脱原発」や「原発 0 」をスローガンとして掲げ，政権交代に乗り出そうとした． このように，地震が起きてから国全体で原発反対の動きが生まれた．また，この原発反対運動は実 生活に限られた話ではなく，インターネットでも盛んに議論が行われ原発に反対する意見を自身の ブログに載せる人もいる． ・考察～原発反対運動と人々の動き～ 原発反対運動がこのように国全体で起こったのはいくつかの要因があったからだ．例えば，政府が 「原発は安全だ」と言い続けてきたということが東日本大震災で嘘であったということが明らかになっ たということが要因の一つだ．私を含めた安全神話を信じ切っていた国民は震災を機に原発のあわ せもっている危険性にようやく気付き，原発について真剣に向き合うようになったのである．また，イ ンターネットなどを利用することによって様々な情報や知識を手に入れることができた．そのため誰で も意見が主張できることができた．しかし，中には原発反対を訴えるだけでこれからの展望について 具体的に述べることができない人も多い．もちろん，中には根拠がある意見をもちだし，原発反対あ るいは原発推進を唱える人も多いのだがそもそも根拠としているデータがどこから得た情報なのか， 信頼できる情報なのかがはっきりしていない場合が多い．実際私は調べている中で根拠の内容が 食い違う意見に何回か遭遇した．また，このように根拠が明確でないのに主張する人がいるため原 発反対デモも「他のところでもでもやっているから参加しよう」などという軽い気持ちで参加する人も いたようだ．原発問題は明確な答えを出すには難しい問題であり，国民の意見がすぐにまとまるとも 考えにくい．だが，今回の震災をきっかけに今まで特に意識していなかった原発について国民が真 剣に考えるようになったのは大きな変化であると私は考えている． まとめ～社会学的な視点で見た原発問題～ 原発問題は現在進行中の問題であり，まだ解決されたわけではない．しかし，原発について取り上 げるニュースは震災直後より明らかに減少してきておりそれと同時に人々の原発，および東日本大 震災に対する意識は薄れてきている．今回は社会学的視点で原発問題を取り上げたが，調べてい く中で私は社会学的視点で現代社会の抱える問題を考察することは重要なことであると考えるよう になった．なぜなら，社会現象をそれまで気にもせず，当たり前だと思っていたことでも「なぜ？」と考 えることで客観的にとらえる