チーム医療における臨床心理職0$aéX0$aéXX.pdfVIP

厚生労働省 第３回 「チーム医療推進方策検討ＷＧ」提出資料 チーム医療における臨床心理職 １．チーム医療における臨床心理職の現状 日本においては、「臨床心理士」を代表とした臨床心理職が様々な領域で活動している。 臨床心理士は、2010 年10 月29 日現在、全国に20,375 名おり、一般社団法人日本臨床心 理士会（会員数17,067 名／組織率83.8%）による動向調査からの推定では、約6,000 名の 臨床心理士が医療保健領域で働いている。 図1 臨床心理士の勤務職域 医療は急速に高度化・複雑化している。それに伴い医療スタッフに求められる期待も高 まり、各職種の専門分化が進んでいる。先端医療の進展も著しく、慢性疾患、進行性疾患 などの療養に伴う心理的問題も増加している。医療保健領域における心理的な問題は、精 神科（精神障害）や心療内科（心身症）に限らず、内科、外科、整形外科、形成外科、脳 外科、小児科、産婦人科、眼科、皮膚科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、 歯科、口腔外科、その他医療保健に関する全分野にまたがっている。緩和ケア領域、周産 期領域、遺伝医療、糖尿病チーム、高齢者などを含め、臨床心理学に基づいた援助がます ます求められている。それはまた、患者や家族に留まらない。医療人も社会の一員として 疲弊傾向にあり、医療人のメンタルヘルスを支える存在としての臨床心理職の役割も期待 されている。以下、日本臨床心理士会が2006 年に行った医療保健領域に関わる臨床心理 士に向けた調査（回答数 1,125 名）から、臨床心理士が関わっている診療科と、その中で どのような事例を取り扱っているかを表１及び表２で示した。 表１ 診療科別臨床心理士人数（複数回答） 表２ 疾患別担当経験者数（複数回答） 診療科 人数 診療科 人数 人数 % 精神神経科 728 産科　 16 気分障害 891 （79.2） 児童精神科 33 緩和ケア科　 15 人格障害 858 （76.3） 心療内科　 195 総合診療部 11 統合失調症 812 （72.2） 神経内科　 88 療育センター 11 広汎性発達障害・ADHD 759 （67.5） 循環器・呼吸器内科　 34 救命救急センター 9 認知症 473 （42.0） 血液内科　 27 周産期母子センター 9 脳血管障害 310 （27.6） 内分泌・代謝内科 27 医療相談室 9 がん 231 （20.5） 消化器内科 25 皮膚科 8 糖尿病 217 （19.3） 腎臓内科　 10 眼科 6 視覚障害 117 （10.4） 内科 9 遺伝子医療部　 3 遺伝子疾患 102 （9.1） 腫瘍内科 8 歯科・口腔外科 2 不妊 76 （6.8） 小児科 141 麻酔科 2 筋ジストロフィー 70 （6.2） リハビリテーション科 57 ICU 2 白血病 66