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三次元測定入門
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三次元測定入門
株式会社ユニキャット
本書の著作権は、株式会社ユニキャットにあります。あらゆるメディアへの全部又は一部の転載、複製を禁止します。
目 次
1 三次元測定機について 2
2 機械座標系 2
3 ワーク座標系 3
4 副座標系 4
5 座標系の構成 5
6 投影面 5
7 プローブ形状 6
8 ダミー点 7
9 極座標 8
10 直線 9
11 直線の方程式 10
12 平面の方程式 11
13 原点移動 13
14 座標の回転 13
15 円の方程式 16
16 球の方程式 17
17 最小自乗法 17
18 ベクトル 19
19 平面補正 23
三次元測定機について
三次元測定機は、縦、横、高さを同時測定する装置です。ノギスは直線(長さ)を計るので一次元測定機、投影検査機は二次元測定機と言えます。縦、横、高さに目盛りを付けた「ものさし」です。
機械座標系
三次元の測定方法は、縦、横、高さの三つの次元で表現し、数学的には通常それぞれをX、Y、Zと言いますが、被測定物の定盤への置き方によっては、X、Y、Z軸が測定機のX、Y、Z座標と合わない場合もあります。このため、X、Y、Zの表現は被測定物の座標に用い、測定機自身の持つ座標系は、
A(アーム) : 腕の部分
B(ベース) : 定盤上の移動
C(コラム) : 上下方向
と呼び、区別する場合があります。
機械座標系で測定する場合、被測定物の座標系は機械座標系と平行になる様に位置決めを行う必要があります。もし角度θだけ振って置いた時、長さLは、L×cosθとなり、短く計算されてしまいます。又、水平に置けない形状の被測定物の場合は、治具を用意し、水平を保つ様にする必要があります。機械座標系では、任意の点を任意の座標値とするプリセット機能を持っていますが、平行移動しただけで、機械自体の持つ座標系に変わりはありません。機械自体の座標系を実座標系とすれば、プリセットされた座標系は疑似座標系と言えます。
(但し、多関節や三角測量法等では、原理が異なります。)
ワーク座標系
被測定物の事をワークと呼びます、被測定物の座標系をワーク座標系と呼びます。ワーク座標系では、ワークによって座標が決まるため、治具を用いて特定の座標軸にあわせる必要はありません。特に重量物の場合、一度置いたら動かす事が出来ませんので、ワーク座標系で直接測定出来たら非常に便利になります。しかし、ワーク座標を直接測定する事は出来ません。そこでコンピュータの力を使って機械座標系からワーク座標系に変換させる事によって、ワーク座標で測定する事を考えます。この為には、
ワークの基準面の機械座標系に対する傾き
ワークの機械座標上の原点位置
ワークの機械座標に対する基準軸方向
が必要となります。
一面が分かれば、他の2面は自動的に算出出来ます。また2軸が分かれば、残る1軸も自動的に求まります。そのため
平面補正
軸補正
がプログラムとして用意されています。
平面補正をした時点では、ワークの傾きは分かりますが、原点の位置、軸方向は分かりません。続いて軸補正を行う事で、これらを決定します。これによりワーク座標系での測定が可能となります。
副座標系
原則的には、一つのワークには一つの原点と座標系しか存在しませんが、座標を移動させたり回転させたりすると便利な場合があります。この様な場合は、オフセット値や回転角を指定すること事で、座標の変換を行う事が出来ますが、数値として指定出来ない様な測定面の場合、その面を平面補正と軸補正プログラムで直接してしまえば、その面での測定が可能になります。ただし元の座標系が無くなってしまいます。そこでその様な場合のために、副座標系が用意されています。副座標系上で平面補正、軸補正を行う事で、ワーク座標系を変えずに測定が行えます。また副座標系で測定した座標値をワーク座標系の座標値に変換する事も、その逆の変換も行えます。
副座標系上で測定したx1、y1はワーク座標系上のX1、Y1として求める事が出来ます。また円は、副座標系上では円として測定出来ますが、ワーク座標系では楕円となり、半径を求められません。
座標系の構成
機械座標系の上にワーク座標系が作られ、ワーク座標系の上に副座標系がつくられます。
投影面
三次元測定の重要な考え方の一つに投影面があります。三面図に画かれた形状は、X―Y面(平面図)、Z―X面(正面図)、Y―Z面(側面図)に投影されています。2点間の距離は、立体的な距離としてではなく、それぞれの面上の長さとなっています。円も同様に3面に
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