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Exploring modern Japanese political documents 日 本 の 近 代 政 治 史 料 を 探 る 憲 政 資 料 の 収 集 　「 松 下 芳 男 関 係 文 書 」 を 例 に 　国立国会図書館では、幕末から現代までの政治 　892 年 5 月 4 日新潟生まれ。 家や官僚、軍人の手元にのこされていた手紙や日 陸軍士官学校を経て陸軍少尉、中 記、書類といった資料を中心とする「憲政資料」 尉 となるも 920 年に「社会主義 を収集し、東京本館の憲政資料室で公開していま に共鳴する中尉」と新聞に報道 す。憲政資料のおもな収集手段は、ご遺族などの されて停職となり（92 年 7 月 ご厚意による寄贈や古書店からの購入です。研究 に予備役）、東京に出てきて 92 者にご遺族との仲介をしていただいて、資料を収 年から 24 年に、星島二郎、片山 写真1 集することも多くあります。ここでは、「松下芳 哲が中心となった法律雑誌『中央法律新報』の編 男関係文書」の寄贈を受けるまでの様子と公開さ 集を任されました。このころ、同誌の原稿依頼等 れた資料の内容を簡単にご紹介します。 で牧野英一や三淵忠彦といった人々と知り合って います。930 年 2 月には社会民衆党中央執行委 憲政資料室の 員、932 年  月には同党中央委員となっています。 所蔵資料から 「井上馨関係文書」 その後、日本大学講師や、教育総監部嘱託を経て、 戦後 952 年に工学院大学講師（後に教授）となり、 954 年 0 月、法学博士号を取得し、983 年 4 月 憲政資料室 9 日に亡くなりました。 　松下氏は日本軍事史の研究で名高く、NDL- OPAC（国立国会図書館蔵書検索・申込システ 某月某日　資料の情報を得る ム）で調べてみると、『明治軍制史論』（有斐閣、 　憲政資料を担当する非常勤調査員からメールが 956）、『徴兵令制定史』（内外書房、943）など、 届きました。「ある研究者が松下芳男氏ののこし 00 点を超える著作があることがわかりました。 た資料の受入れ先を探しており、憲政資料室をそ 松下氏の伝記である中島欣也『銀河の道』（恒文社、 の候補に考えている。連絡をとってみてはどうか」 989）も見つかりました。 という内容で、資料の概要も付されていました。 　資料の概要と松下氏の履歴を考えあわせると、 　早速、松下氏について事務室（写真 1）の人物 のこされた資料は、片山哲など国政レベルの政治 事典や歴史事典、便覧類で調べてみると、次のこ 家からの書簡を含む日本近代の政治史料であり、 とがわかりました。 当館の収集方針に合致するものと判断できました。 　　国立国会図書館月報580号 2009.7 ■　 3 　そこで、ご遺族と電話で