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１． なぜ、品質管理が重要か わが国の企業に今日の繁栄をもたらし、その製品が世界中に広く普及浸透すると共に、それを使用する 消費者から高い評価と信頼を得ているのは、日本的品質管理によるところが極めて大きいといえ、繊維産業 においても素材と衣料品は世界的水準に達しており、さらに高品質・高品位製品の領域へと進んでいます。 これを支えている品質管理とはいかなるものなのでしょうか？ その考え方は、製造工程間の次の工程と、最終消費者である顧客の要望に応える(顧客満足を得る)ため れ、「自分が最終工程のつもりで不良品はつくらない、渡さない」という意識が大切と教えられています。 品質管理の実行によって、 ①企業としての実力と対外的信頼を高め、国内外に自信を持って通用する製品を作り出せる体質を充 実させることができる。 ②企業内全員が品質管理活動に参加することにより、企業内組織が活性化される。従業員相互間の融 和・協調と人間尊重が生まれてくる。 ③企業としての長期的安定運営とそれによる利益を得ることができる。 ④新商品の開発、新技術の確立に役立つ基礎を作り、企業を繁栄に導く。 ⑤お客様に満足を与え、社会に貢献することができる。 など多くの効果・成果が考えられます。 んが、アパレル製品の品質と管理に対する考え方を以下に紹介するとともに、消費者ニーズの変化、生産環 ただきたいと思います。 １．１ 品質管理と品質保証 (1)品質管理 品質管理とは、買い手の要求にあった品質の品物またはサービスを経済的に作り出すための手段の体系 るので、特に統計的品質管理(statistical quality control、略してSQC)ということがあります。 つまり、品質管理は製品の設計から工程全体を対象とし、工程は製品の材料の受入れから、製造、販売、 品質を維持向上することはできません。あくまでも品質を作りこむのは検査ではなく工程なのです。 - 1 - 注、製造、検査、販売及びアフターサービス並びに財務、人事、教育など企業活動の全段階にわたり、経営 者を始め管理者、監督者、作業者など企業全員の参加と協力が必要です。 このようにして実施される品質管理を全社的品質管理(company-wide は 総合的品質管理(total quality control、略してTQC)といいます。 また品質とは、製品の良し悪しを表す性質、形、はたらき、効能、効用をいいます。 従って、良い品質とは、お客様が満足して購入してくださる製品であって、使用目的や使用条件にあった最 適な品質をいうことになります。 品質には、 ・要求品質(消費者がこういう品質がほしいと要求する品質) ・設計品質(製造の目標としてねらった品質。ねらいの品質) ・製造品質(設計品質をねらって製造した製品の実際の品質。出来映えの品質) ・使用品質(商品が消費段階で示す品質、使用段階で発揮する品質) などがあります。 品質管理は生産段階の管理だけではなく、それぞれの品質の管理が正しく行われているかの管理であり、 その目的は品質保証であるといえます。 (2)品質保証 ステムの中で実施され、必要に応じて実証される、すべての計画的かつ体系的な活動のことをいいます。 製造、販売、クレーム解析など、企業の品質保証活動すべてを網羅し、表現したものです。 - 2 - ステップ ユーザー トップ 企画営業部門 設計部門 技術部門 品質管理部門 工　　場 主な規定類 　ニーズ 市場調査・情報収集解析 デザイン案 品質・クレーム情報 ・品質保証規定 製品 技術開発 ・市場調査規定 製品企画立案 企画 ・設計管理規定 企画決定 デザイン パターン