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１１．サッシができるまで（押出しから出荷まで） 木造戸住宅用アルミサッシは、サッシメーカーの工場で基本的に押出し、表面処理、加工、 部品付け・梱包の製造工程を経て製造され、出荷されます。各工程では、概略、以下の作業が 行われます。 押 出 し 押出し工程では、円柱のアルミ合金の塊 （「ビレット」といいます）を約５００度に加熱し、 押出し機を用いて強い圧力を加えてアルミサッシの断面形状の金型（図２参照）から押出して、 細長い押出し材を作ります。一本のビレットから数十メートルの押出し材が押出されます。 図１．押出し加工 図２．押出し金型の例 数十メートルの押出し材は５メートルから６メートル程に切断され（図３参照）、必要な強度 にするために熱処理が施され、次の表面処理工程に運ばれます。 図３．押出し材例 アルミサッシは建物の開口部に取付けられるたて部材と横部材 （枠材といいます）、そして、 ガラスの周りを囲む引き戸用のたて部材と横部材（框（かまち）材といいます）で構成されますが、 それぞれの断面形状が異なるので、別々に押出して製作されます。 表 面 処 理 表面処理工程では、押出し材の表面に陽極酸化皮膜 （一般にアルマイトと呼ばれています） を形成し、更に電気分解によりブロンズやブラックに着色した上で透明な樹脂塗料を電着塗装 します。この他にアルマイトの上に電着塗装によりホワイトなどの塗膜を形成し、耐食性、耐 摩耗性のある表面に仕上げます。 加 工 加工工程では、表面処理された押出し材を製品寸法に合わせて切断し、枠材と框材のそれぞ れに必要な切り欠き、穴あけなどの加工を行います。 図４．アルミサッシ用枠材の加工例 部品付け・梱包 部品付け・梱包工程では、加工された框材用のたて部材、横部材に戸車、クレセントなどの 部品を取付け、組立てしない状態の框材とやはり組立てないままの枠材を１窓ごとのセットと して、組立て用のねじなどの金物類とともに梱包します。 図５．サッシの梱包 出 荷 このようにして、梱包された木造住宅用サッシは、組立てられていない状態のたて部材、横 部材のままで出荷されます。なお、サッシメーカーでは、特別の場合を除いてガラスは扱って いません。 図６．出荷形態 アルミサッシを例にして説明しましたが、アルミのドアでも同様であり、組立てられていな い状態の部材として梱包されて、サッシメーカーから出荷されます。