都市型プロトタイプ住宅「木箱212」(pdf)要点摘要.pdfVIP

様式２ 建築研究所すまいづくり表彰 地域住宅賞 【住宅部門】 市町村名 ：東京都杉並区 都市型プロ トタイプ住宅 「木箱 ２１２」 ［応募者名］勤務先名：葛西潔建築設計事務所 葛西潔 勤務先住所：東京都杉並区久我山３－２６－５ 連絡先（勤務先） TEL ：０３－３２４７－３０４１ FAX ：３－３２４７－３０４２ ●地域性への配慮事項 に使用し、ラグスクリューを用いて門型フレームをつ 基礎を含め外断熱とし、次世代省エネルギー基準、ペ 都市部の住宅問題から開発 した木造構法 くり、４５５㎜ピッチで並べてトンネル状の架構を形 アガラスを標準仕様とする。 都市部の宅地は小さいものが多く、狭小敷地に建つ住 成する（ＬＶＬ，集成材でも可能）。次に、奥行方向 短い通電時間で１日中全館暖房が可能な土壌蓄熱式 宅は奥行に対して間口が狭い傾向にある。このような に構造用合板を貼り耐震壁をつくる。一方向の外周壁 床暖房を施工。 住宅では間口に出入り口と採光・通風の窓を設けると にしか耐力壁を設けていないため、間口方向は門型フ 柱を利用 した壁面収納 同じ面に耐震壁を設けることは難しい。 レームだけで持ち、内部にも構造要素を持たない。 表しになった柱の間に棚板を渡すことで壁面全面が また、現在の住宅は家族の将来的なライフスタイルの ●作品の特徴 収納壁になる。 変化に合わせられるよう、間取りの可変性を考え、内 一方向ラーメン造 良好な室内環境 部の壁を少なくする傾向がある。 内部に構造要素を持たないため、壁や間仕切りのない 室内側は柱、梁を表しにしている。仕上げ材を貼らず 現代の住宅の求める開放性と、木構造が必要とする耐 開放的な一室居住空間が実現する。現代の家族は一緒 木を直接空気に触れさせ耐久性を向上させる。室内の 震壁の存在とはそもそも矛盾する部分がある。 に過ごす時間が少ない。せめて家にいる間は互いの気 調湿効果も期待できる。基礎を高く立ち上げることで この現状を踏まえ、当事務所では木造一方向ラーメン 配を感じながら家族が一緒に過ごせるよう、大きな 薬剤を用いずに防腐・防蟻に対処している。 造「木箱２１２構法」を開発した。開放性、間取りの 「家族室」を提案している。 ●新たなプロ トタイプが目指す街並みづくり 可変性、耐震性、省エネルギー性を備えた、この新た 南面全面開口 柱、梁に同じ部材を使い、仕口は１種類という合理的 な構法を新たな都市型住宅のプロトタイプとして普 間口方向は門型フレームだけで持たせているため、全 な簡易工法のため、材木の輸入、構法の開発、設計、 及させるべく、１００棟建設を目標に建設し続けてい 面開口が可能になる。冬は太陽光を室内に最大限取り 施工と家づくりのすべての工程を当設計事務所で行 る。現在８１棟が完成し、２００５年には特許を取得 込み、夏は南北の開口を開けることで室内に風の通り っている。 した。（※特許番号 第3679748 号 道をつくる。採光・通風を確保することで年間を通じ