第9回机能性付与剤③着色剤.PDFVIP

１．着色剤の狙いと選定要件 表１　着色の狙い 　着色してカラフルな材料を提供できるのもプラスチック スの特徴のひとつである。今日，玩具や家電製品や事務用 品などに着色したプラスチックスが多く使用されている。 プラスチックスの着色には，表1に示したように色相調整 以外にも幾つかの狙いがある。顔料や染料をプラスチック ス材料に溶融混練して成形する原着方法の他に，多様化の ため成形品を染色する方法も行われている。また，塗装や ホットスタンプや印刷やメッキなど二次加工の加飾により 表２　着色剤の選定要件 商品性を高めることもなされている。原着に使用する着色 剤の選択には，表2に示したような要件を満たすことが必 要である。発色性と共に，着色剤自身の安定性と樹脂への 悪影響がないことが必要である。 ２．顔料 　図1に示したように，顔料には，無機顔料と有機顔料が ある。顔料着色の色相は，分子構造や結晶構造に，また粒 子形状や表面状態や分散状態などにより影響される。顔料 の粒子径は，明度や着色力や隠蔽力にも影響する。いろい ろな色調に対応するため，いろいろな色の顔料を選択調合 して調色される。無機顔料には，金属の酸化物，硫化物， クロム酸塩や珪酸塩と金属粉およびカーボンブラックがあ る。無機顔料は，隠ぺい力が高いことや，耐熱性や耐候性 が高く安定なため使用しやすいが，有機顔料に比較して， 着色力は小さい。選択にあたっては，重金属など環境面か らも留意が必要である。機能性顔料として，メタリック調 の外観を与えるアルミ箔も使用される。このような金属粉 やパール顔料は，形状効果が色調に大きく影響する。また 箔形状は，樹脂の流動で配向しやすく一般にウエルド部の 外観改善を考