年始挨拶.PDFVIP

平成24年 1月4 日 年 始 挨 拶 北口 治 新年明けましておめでとうございます。 皆さんは年末年始の休みはどのように過ごしましたか？私は家族で奈良の田舎に帰 っていました。例年よりは過ごしやすい天候でしたが、二日の午後には珍しく霰 （あら れ）がパラパラと音を立てて降りました。 冒頭に 「明けましておめでとう」と言いましたが、今年ほどこの言葉が胸に響く年は ありません。昨年は本当に色々なことがありました。東日本大震災や福島原発事故、そ してタイの洪水災害は、世界中の人々に驚きと悲しみを与えました。自然の力の大きさ や現在の化学技術では抑止困難な原子力の怖さを、あらためて思い知ることになりまし た。経済的には中国が日本を抜いてGDP世界第二位の経済大国となり、ヨーロッパでは ユーロ危機が深刻化して欧州各国に波及しました。また円相場は戦後最高値を記録して、 企業業績に多大な影響を与えました。その中で、ワールドカップでの 「なでしこジャパ ン」の優勝は日本の国民に感動と勇気を与えました。またスーパーコンピューター 「京 （けい）」の演算速度世界一は日本の技術力の高さをあらためてアピールしました。 昨年の年頭挨拶で、昨年の干支 （かんし）の 「辛卯 （かのとう）」は 「新陳代謝によ り新たな発展に向かう」という意味だと言いました。その新陳代謝はあまりにも激しく 辛いものとなりましたが、これは幾多の悲しみや困難を克服して再び新たな発展に向か う道であると信じたいと思います。そして続く今年の干支は 「壬辰 （みずのえたつ、じ んしん）」であり、「従来の社会の仕組みを変える」という意味を持っています。飛鳥時 代の 「壬申の乱」はこの干支の時に起きた事件です。ドラッカーは、「現在は数百年に 一度訪れる変革期であり、ポスト資本主義社会を目指して数十年かけて移行する転換期 である、それは2010年ないし2020年まで続く」と過去に予測しています。その考えに もとづけば、今我々は大転換期の最終仕上げ段階に臨んでおり、生みの苦しみの真只中 にいるということです。それはとりもなおさず、もう間もなく新しい時代がやって来る ということです。 1 この変革期において、NPC は2010 年度に旧工業材料事業部から樹脂ビジネスの移管 を受けてその定着に努めてきました。そして2011年度に製品推進部門を設立して、「川 上の樹脂ビジネス」「川中の包材ビジネス」「川下の加工品ビジネス」というビジネスの 基本骨格を整えました。今年度は、現中期計画 「Change11」で求めてきた 「質の変革」 をさらにスピードアップして、新中期計画「Change S2014」をスタートさせます。 ビジネスは常に 「先ず新しく獲得して、次に伸長し、やがて衰退して、終了する」と いう「ON・UP・DOWN・OFF」のサイクルを描きます。プラスチックビジネスにおいても、 汎用プラスチックからエンジニアプラスチック、エンジニアプラスチックから超エンプ ラへと、ゆっくりとした速度ではありますが、新市場が着実に拡大しています。そのた め会社の維持・発展のためには、常に「ON」ビジネスの獲得が必須であり、新市場の開 拓が必要です。「ON」ビジネスや 「超エンプラ」ビジネスの獲得のために、エンドユー ザーの真のニーズを的確に把握して適切に対応する 「マーケティング活動」や、新しい 用途の提案や新しいニーズを創出する 「イノベーション活動」を全員で促進したいと考 えます。一方、それらの新展開を進めるためにも管理面の強化が必要であり、与信管理 やコンプライアンスをはじめリスクマネージメントの徹底や内部統制の活用を進め、引 き続き 「誠実に正道を歩む体制」を強化したいと思います。 NPC は 「世界一のプラスチック専門商社」を目指しています。それは傍々 （はたはた） を楽にさせ顧客を満足させる 「はたらく」と、お客さんや仕入先を飽きさせない創意工 夫の 「あきない」が世界一の会社です。そして顧客や人の喜びを自分の喜びとし、その 喜びが職場に満ち溢れた 「TheJoyous Work」の実現を目指