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泌尿器科領域に於ける血清蛋白の研究 第II篇:手術前後に Title 於ける血清蛋白の変化 Author(s)西沢, 信二 Citation泌尿器科紀要 (1955), 1(2): 96-109 Issue Date1955-06 URL /2433/111060 Right Type Departmental Bulletin Paper Textversionpublisher Kyoto University 96 泌尿紀要1巻2号 昭和39年6月, 泌尿器科領域に於ける血清蛋 白の研究 第II篇 手術前後に於 ける血清蛋 白の変化 京都大学医学部泌尿器科教室(主任 稲田務教授) 姫路赤十字病院皮膚科泌尿器科 医 学 士 西 沢 信 二 (本論文の要旨は第4回 中部皮膚科泌尿器科学会連合地方会に於いて発表 した) 1緒 言 日より1週日で最低値を示 し10日頃 より漸 次恢復 し2週 日よ り3遮 日で大体術前値 に 著者は第1篇 に於いて各種泌尿器科疾患 の血清蛋白濃度及び其の分劃値 を測定 し,特 戻るとし,各分劃値 にてはAlbuminも略々 に尿路結核,急性感染性泌尿器疾患、尿路悪 同様術直後 より減少 し4日 で最低値 を示 し 性腫瘍等に於いて相当高度の変動を認め,其 術後2週 日か ら3週 日で術前値或はそれ以 の成績に就いて記載 した. 上 とな り,Globulinに於いてはcr.-Globulin 重篤なる尿路疾患の治療が外科的手術 を必 は術後1週 頃迄僅かな増加 の傾 向 を示 した 要 とし,手術施行前既 に相当の低蛋 白血症の 後漸次減少 し、β一Globulinは僅かに増加す 状態にある個体に手術侵襲が加 え られ た場 るか或は全 く変動 を示 さない 事 が 多 く、γ一 合,其の血清蛋 白値 が如何 なる変動 を起す Globulinは合併症の発生で著明 な増加を示 か,即ち増加,減 少或は其の恢復す る状態を す としている. 術前 より術後 に亘 り経過を追つて観察す る事 昭和25年 以降蛋白代謝並びにショツクの は頗 る興味あるところである, 問題が外科領域に於いて特に盛んに研究せら 現在主 として行われてい る術前処置 として れ 、手術前後 に生理的食塩水(食 水 と略記) の腸内容排除を目的 とす る下剤 の服用,院腸 リンゲル氏液1リ液),ブ ドウ糖溶液(ブ 液) の施行,又術前 日か ら術後数 日に亘 る絶食乃 等の他ポ リタ ミン液(ポ 液1の 如 き綜合ア ミ 至食事摂取の制限等 に加 うるに手術侵襲並び ノ酸製剤 も使用せ られ,又 よ り大量の全血輸 に術 中術後の手術創よ りの出」血等,蛋 白の摂 血或は血漿輸注が実施 され る様 にな り,更に 取乃至生成が激減するに反 し蛋 白の喪失は莫 新 しい輸液が盛んに研究採用 されている. 大 とな り,其の個体の蛋 白代謝に著 しき変動 著者 は手術前よ り術後 に亘 り手術侵襲によ を来た し窒素平衡が大 きく負 となる事は明か る血清蛋 白値の変動並びに是等輸液,輸血の, である, それに及ぼす影響 を観察する目的を以て腎結 手術侵襲の血清蛋 白に及ぼす影響 に就いて 核 を主 とした数種 の泌尿器疾患の手術に就 き は外科領域に於いて多数 の発表 を見 るが 測定を行つたので其の成績 を報告す る