湖东圏域企业立地基本计画.PDFVIP

湖東圏域企業立地基本計画 １ 産業集積の形成又は産業集積の活性化に関する目標 （１）地域の特色と目指す産業集積の概要について 滋賀県は、公益社団法人日本経済研究センターがまとめた２００１年～２０２５年まで の都道府県別実質成長率（推計値、平成２６年３月発表「第４０回中期経済予測」都道府 県別予測）によると全国第８位となっている。 この指標は、製造業の拠点が多い滋賀県の強みを象徴するものである。特に、琵琶湖の 東部に位置し、以下に述べる地理的条件や交通インフラ、教育機関、多岐にわたる既存産 業を有する湖東圏域は、産業集積を図るうえで優位な環境にある。 また、近年、経済のグローバル化が急速に進み、為替の影響や海外への工場移転など様々 な問題が生じている。グローバル化に伴う問題に対し、湖東圏域の各市町は、相互の連携 を高め、協力して対処する。 （地理的条件、既存の産業集積の状況、インフラの整備状況等地域の特色について） ○ 湖東定住自立圏について 定住自立圏構想とは、総務省が平成２１年度から推進している地域振興政策であり、各 地域の生活圏の中心となっている市を中心市とし、中心市と周辺市町村が定住自立圏形成 協定を結び、連携と役割分担を行うことで、人口の定住と圏域の自立化を図るという政策 である。 彦根市と愛荘町、豊郷町、甲良町、多賀町の１市４町は平成２１年１０月に湖東定住自 立圏形成協定を締結した。定住自立圏形成協定の締結は全国で４番目、近畿では初めてで あり、すでに医療、福祉、教育、環境、公共交通、地産地消そして産業振興などの各分野 において具体的な連携を始めており、企業誘致や既存立地企業のサポート等についても１ 市４町で経済活性化部会を設け、取り組んでいる。 本計画は湖東圏域の産業振興に係る連携を加速させ、圏域経済のより一層の活性化を図 るものである。 ○ 圏域の各市町について 彦根市 彦根市は、彦根城をはじめとする歴史的な遺産や、江戸時代の城下町の風情が残る、豊 かな文化が感じられる都市である。市北部は彦根城の旧城下町が中心となった市街地が広 がっており、数多くの商店街が存在する商業地域である。また、ＪＲ南彦根駅周辺は、近 年開発が行われ、城下町とは趣の異なる新たな街を形成している。さらに、市南部は田園 地帯となっており、田畑、琵琶湖、山や川などの身近な自然の３つが一体となった風景が 広がる。 1 工業面では、伝統的な地場産業である仏壇、バルブ、ファンデーション（補整下着）が 集積している。また、市内各地には様々な大手企業の工場が立地しており、地域経済を支 えている。 観光面では、彦根城という恵まれた観光資源を活かし、観光客の誘致に取り組んでいる。 また、ゆるキャラブームの火付け役となった「ひこにゃん」も人気であり、多様な観光客 が彦根を訪れている。 愛荘町 愛荘町は、平成１８年、秦荘町と愛知川町が合併して誕生した。町中央部には宇曽川や 岩倉川、南部には愛知川が流れており、古くから水とのかかわりが深く、田畑が町域の約 ４割を占めており、美しい自然環境が広がっている。 工業面では、古くからの地場産業として、上質な麻織物である近江上布が挙げられる。 近江上布は、現在も愛荘町を中心とした地域で製造されており、新たな新製品の開発も盛 んである。また、農商工連携においては、「秦荘のやまいも」を地域ブランドとして活用し ており、すでにやまいもを用いた製品の販売を行っている。また、町内には食料品製造業 や電子部品製造業、自動車部品製造業などの様々な業種の大手企業の工場が立地している。 観光面では、上述した秦荘のやまいもを用いた製品、伝統工芸品である「びん細工手ま り」などの特産品や、中山道の宿場町の面影の残る町並み、湖東三山の一つである金剛輪 寺など観光資源に恵まれている。 豊郷町 豊郷町は犬上川の扇状地に位置し、町内全域が傾斜の少ない平地となっている。古くか ら交通の要衝として栄え、中世には多くの城や砦が築かれた。近世以降は、多くの当地出 身の近江商人が活躍し、なかでも、伊藤忠商事及び丸紅の創始者である伊藤忠兵衛はその 代表的存在であり、現在その邸宅が記念館として一般に開放されている。また、ウィリア ム・メレル・ヴォーリズが設計した豊郷小学校旧校舎群は、近代の鉄筋校舎建