全国盲重复障害者福祉施设研究协议会.PDFVIP

全国盲重複障害者福祉施設研究協議会 盲重複障害について 盲重複障害とは、例えば視覚障害と知的障害、その他随伴障害（知 覚運動障害・てんかん・聴覚障害・精神障害）が重複し、重度化した 障害のことを言います。 また、成長期に適切な対応がされなかったために生じる「二次障害」、 すなわち作られた障害が加わり、重度化するケースもあります。 受障時期が早期であればある程、視覚経験が無い・または少ない ために、成長発達に必要な視覚情報が得られません。その結果、生活 上の様々な場面でマイナスに作用し、体験不足による不適応状態が 目立ってしまいます。加えて知的面での理解力や判断力にも障害が 見られる場合、情緒が不安定となり、適応障害に陥る事もあります。 このように盲重複障害の特徴は、障害が「１＋１＝２」のような 単純な足し算ではなく、相乗作用によってそれぞれの障害が複雑に絡み 合った状態といえます。それは同時に、支援の困難性も増す事であり、 2 １ 移動と動作 P4 ２ 日常生活 P7 ３ コミュニケーション P11 ４ その他の特徴 P12 障害の程度を画一的に判断することが極めて難しい状態といえます。 しかし、誰もが素晴らしい才能を有しており、周囲の環境や専門的な 支援により、その才能を必ず開花させることができます。盲重複障害を 持つ人の支援は、2～3年で成果が出るものではなく、個々の障害状 況に合わせて、5年・10年と長期的な支援が必要です。個人の可能性 に着目し、尊厳を守り、その人のライフステージを通した支援や環境を、 どのように設定するかが非常に重要となります。障害の特性を理解し、 良き環境を提供することで、社会参加を保障する事ができるのです。 本冊子で紹介する特性は、人によって違いはありますが、日常生活 でみられる内容と共に、その時々において必要な介助や支援の方法に ついて解説しております。盲重複障害を持つ人と関わりを持ち、理 解して頂き、適切な支援の一助となることを願っております。 3 １移動と動作 歩く −盲重複障害− たとえば… こんなことがあります ● どこに何があるのか等、周囲の環境に対する情報の入手が難しいため、 行きたいところがあっても一人では行くことができない。 ●道の反対側から声をかけると、声のある方向に進み、横断しようとして しまう。 ●決まった動作をしてからでないと、次の行動に移れない。 ●歩きながら独り言を言うことがある。また、身体を揺らしたり、回転したり する。 ●他人に接触すると、大パニックや自傷・他害行為に至ることがある。 ●少しの環境の変化でも、その変化がわからず、歩けなくなってしまう。 ●物との距離感や空間に対する理解が不十分なため、歩ける範囲がとても狭い。 ●事故やけがをする場面を見たことが無いため、危険であることがわからず に、危険な所でもどんどんと歩いてしまう。 ● 自分から歩くことをせずに、長時間同じ姿勢でたちすくむ。また、突然 に走り出してしまうこともある。 ●駅のホームにて、単独で移動する場合や一人でその場に立っている場合、 ホームから転落する等の命の危険がある。 こんな配慮をお願いします ●単独で移動する場合は、見守りを行い、安全の確保が必要です。