根上武仁日野刚徳偶大学出寺.PDFVIP

論文・報告 根上武仁f左賀大学理工学部都市工学科 日野剛徳|偶大学1!f平地研究センター 出寺 彰 i日本エ営側 立石義孝|大分県立中津工業高等学校土木科 1.はむめに 表 1 有明粘土の物理的性質 土粒子の窃皮 ρJg/cnl)I2.57 粘性土の微視的構造を調べる手法として，走査 自然合水上ヒ W (%)I133 型電子顕微鏡などによる寵接的な土構造の観察と， 液性限界 WL(%) I126 町 制 日 一 日 一 白 間隙径分布測定などによる半定量的なものがあ E男性限界 W (%) p る1)寸しかし，これらの手法を用いる際の供試 塩分濃度 (g/1) 体作製方法が研究者毎に異なっているなどの問題 石下一砂 (%) がある1) 本研究では有明粘土を対象に，微視的 度 シルト(%) 組 土構造観察および間隙分布測定のための供試体作 成 粘土(%) 製方法について述べる.また，この方法によって 得られた観察結果について言及する. イヤーソーやカッターナイフなどで供試体を成形 する際に生じる乱れの影響も考癒し，約5mmX5 nmlX7mmの直方体状に供試体寸法を設けた.この 2.有明粘土の性質と供試体の作製法 供試体を液体窒素中に浸して瞬結させた後，凍結 表 1は，本研究で用いた有明粘土の物理化学 乾燥器セル内に供試体を入れ，乾燥を行った5) 的性質のー併を示したものである.サンプリング 乾燥終了の目安は，試料に含まれる水分が完全に 時に貝殻片が確認されたことから海成の有明粘土 気化し，凍結乾燥器のセル主主が室晶状態となった であると判断できるが，塩分濃度が低い.自然合 ときとした. 水比が液性限界を超える高鋭敏性(高位の構造) の状態にあり，塩分溶脱の典型的な例を示してい 3.走査型電子顕微鏡(SEM)による有明 る.このような粘土が佐賀低平地の各地に潜在し 粘土の微視構造の観察 ている. 走査型電子顕微鏡(以降はSEMという)によ 微視的土構造の観察の際は，観察倍率に注意す る観察と後述の水銀圧入型ポロシメーターによる る必要がある.日本統一分類法では，粒径5μm 関隙分布測定を行う際には，供試体をあらかじめ 以下の粒子を粘土と定義している.本研究で用い 乾燥させておく必要がある