テーマ-「キッチン」という小説から主人公の悲しみと寂しさを見る.docVIP

テーマ:「キッチン」という小説から主人公の悲しみと寂しさを見る[要 旨] 「キッチン」という文章の中で、あちらこちらに「キッチン」という言葉が書いてある。表面的に見ると「キッチン」というとご飯を作る場所だけであるが、実はその中には深い感情が含まれている。「キッチン」は家と祖母のことを象徴していて、「キッチン」があるところこそ家なのである。しかし、祖母がなくなってから、主人公は一人で「キッチン」にいる意義を失ったのではないかと思う。主人公は意識的に現実から抜け出したがっていたが、新しい生活を前にしてやはり勇気が出せなくてずっと複雑な矛盾に困れている。主人公は悲しみと寂しさに溢れている生活の中で一人苦しくあがいているのである。 [キーワード] キッチン 悲しみ 寂しさ 「キッチン」という小説を読み終わったが、何だか気持ちが暗くなってしまった。私は主人公の寂しさを強く感じられていた。 文章のあちらこちらに「キッチン」という言葉が書いてある。表面的に見ると「キッチン」というとご飯を作る場所だけだが、実はその中には深い感情が含まれると私強く感じている。「キッチン」は家と祖母のことを象徴していると思う。「キッチン」があるところこそ家なのである。「キッチン」では祖母と一緒に楽しい日月を過ごしたことがあるにちがいないのである。文章の中で「ものすごく汚いところだってたまらなくすきだ」と書いてある。そこから主人公は「キッチン」に何かを要求するのではなくて、あっさりとした感情を持っているのが分かる。祖母が死んだあと彼女は一人で「キッチン」の冷蔵庫のわきで長い夜を過ごした。今時の主人公の寂しさがよく表れている。孤独な環境に落ちた時「キッチン」から見える外の夜景は主人公をすこし暖めてくれるかもしれない。そして「祖母がいくらお金をきちんと残してくれたとはいえ、一人で住むにはその部屋は広すぎて高すぎて、私は部屋をさがさねばならなかった」とも書いてある。私の考えでは祖母がなくなってから、主人公は一人で「キッチン」にいる意義を失ったのではないかと思う。主人公が面倒を思いついては絶望してごろごろ寝ていたら奇跡がボタもちのように訪れてきた。しかし、田辺雄一の家に居候しているうちはやはり現実から抜け出すことができない。 文章の最後、主人公は何か希望となるものは発見したように見えるが、文章を貫いている基調はやはり悲しみと寂しさだと思う。 主人公の両親はそろって若死している。実は両親に早く死なれた子供の気持ちは寂しいものだと思う。その上、その後、彼女の祖父と祖母もあいついでこの世を去った。彼女はまだ若い時にもう親族の人を失ったというつらい経験をしたのである。それらのいろいろな原因で彼女は寂しくなったわけである。 実は主人公は祖母と一緒に暮らしを送る時でも寂しかったのである。そして寂しいうちにキッチンはだんだん彼女の心の港になったのである。文章の中では「年寄りと２人で暮らすというのは、ひどく不安なことだ」、「本当に暗く淋しいこの山道の中で自分も輝くことだけがたったひとつ、やれることだと知ったのはいくつの時だろうか。愛されて育ったのに、いつも寂しかった」という文がある。これらの文から主人公がずっと寂しかったということが分かった。この寂しい感じが強ければ強いほど彼女は潜在意識で逃げたいと私は思うのである。しかし論理上でも道義上でも逃げていけないということが分かっていたので逃げられなかったのである。このように自宅のキッチンは彼女の一時の逃げる所、つまり心の港になったのである。キッチンで彼女の心が静かで気持ちが落ち着いている。キッチンがあるかぎり彼女の寂しさはすこしへってきた。文章の中で「私と台所が残る。自分しかいないと思っているよりは、ほんの少しましな思想だと思う」という文はこの点を証明する。 自宅のキッチンがいいのあるが、それは子供の時の不快を含める所である。彼女は新しい生活がずっとほしがっている。主人公は意識的に現実から抜け出したがっていたが、新しい生活を前にしてやはり勇気が出せなくてずっと複雑な矛盾に困れている。居候先が決まったあと主人公は可愛がってもらったが、何だかすごく天涯孤独な気持ちを持っていた。実は主人公は祖母に死なれて元の家を出て田辺の家にひろわれるのは新しい生活に入る過程である。次の文からこの点が見える。「…一本の道が見えた。白く光って確かそうに見えて…」逃げたあと彼女は快感があるようになった。田辺雄一の家での安易な生活は彼女の悲しみを全部除くことができなかった。主人公はいつも祖母の死を恐れていた。いつも祖母と日月を思い出した。彼女にとって祖母を突然失ったのは大変なことだったのだと思う。今の安易な生活を受け入れたのはただ寂しくて現実から