浸水雨量指数と浸水害警戒判定メッシュ情报-气象庁
第5章 浸水雨量指数と浸水害警戒判定メッシュ情報*
- 浸水害と対応の良い新たな指標 -
5.1 浸水雨量指数
5.1.1 目的と計画
浸水雨量指数は、現在、気象庁で開発 ・検証を進めている、浸水害発生の危険度を表すための新たな指
標である。その目的は、大雨警報 (浸水害)等の発表基準に導入し、大雨警報 (浸水害)等の精度を向上さ
せることで、市町村長の避難準備情報や住民の自主避難の判断をより的確に支援することにある。また、浸
水雨量指数の導入にあわせ、 「浸水害警戒判定メッシュ情報 (仮称)」という新たなメッシュ情報の提供を
計画している。これは、浸水雨量指数を大雨警報 (浸水害)等の発表基準でメッシュごとに判定したもので、
このメッシュ情報により、大雨警報 (浸水害)等で警戒が呼びかけられている市町村内のどこで実際に危険
度が高まっているかを視覚的に確認することができる。
第 5.1.1図に、浸水雨量指数による大雨警報 (浸水害)等の改善計画と情報の利用イメージを示した。
大雨警報 (浸水害)等は、浸水害の危険度の高まりを伝える 「気づき」を喚起する情報として、防災関係機
関における体制立ち上げや市町村が発令する避難準備情報の判断等への活用を想定している。一方、浸水害
警戒判定メッシュ情報は、警報や注意報をきっかけとして、市町村や住民自らが実際に市町村内のどこで浸
水危険度が高まっているかを確認することにより、市町村が発令する避難準備情報の対象地域や住民が行う
自主避難等の判断に活用してもらうことを期待している。
大雨警報 (浸水害)等の発表基準への浸水雨量指数の導入と浸水害警戒判定メッシュ情報の提供は、平
成 29年度からの実施を目指しており、現在、指数の精度検証や関係省庁 ・都道府県等自治体への説明を進
めているところである。
第5.1.1図 浸水雨量指数による大雨警報 (浸水害)等の改善計画と情報の利用イメージ
*太田 琢磨 (気象庁予報部予報課気象防災推進室)
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5.1.2 浸水雨量指数の計算概要
浸水雨量指数の計算においては、降った雨が地表面を流出したり、土壌のより深いところに浸透したり
する過程を表現するためにタンクモデルを用いている。タンクモデルのタンク側面には水がまわりに流れ出
すことを表す流出孔が、底面には水がより深いところに浸み込むことを表す浸透孔がある。浸水雨量指数は、
タンクモデルで算出した流出量 (側面の孔から出てくる水量)に地形補正係数を乗じたもので、降った雨が
河川に流れ出るまでの地表面付近の水の流れ(これを表面流出流と呼ぶ)の強弱により浸水危険度を表すこ
とをイメージした指標である。第5.1.2図に計算イメージを示した。
流出量の算出は、都市用と非都市用の二種類のタンクモデルを都市化率に応じて使い分けている。流出
量の算出においては、地面の被覆状態を適切に評価することが重要である。特に、地表面の多くがアスファ
ルトに覆われる都市部では、雨水の地中への浸透が少なく、降った雨は急速に河川に流れ込むという流出特
性があるため、都市用タンクモデルは、流出が非常に早く、また、ピーク流量も大きくなるようなパラメー
タ設定としている。
地形補正係数は、浸水害発生に対する地形勾配の負の寄与を表すために導入したパラメータである。地
形勾配の負の寄与とは、勾配が急な場所ほど降雨は速やかに下流へ排出されるため、その場所では水がたま
りにくく、すなわち浸水しにくいというものである。タンクモデルによる流出量には、このような地形勾配
による負の寄与が考慮されないので、タンクモデルによる流出量を地形勾配を変数とした補正係数により補
正したものを、最終的な浸水害の危険度を表す指標―浸水雨量指数とした。
浸水雨量指数の計算処理の主な特徴としては、次の3点が挙げられる。
① 浸水の発生状況は、細かな地形の凹凸や地表面の被覆状況に大きく左右される。そこで、タンクモ
デルによる流出量の算出や地形補正係数による補正処理は250mメッシュごとに行い、できるだけ詳
細な地理分布情報を反映させるようにしている。ただし、最終的な出力は250mメッシュの最大値を
とった1kmメッシュごとである。
② 流出量は、流域雨量指数のような矩形領域 (5kmメッシュ単位)に対してではなく、該当250mメッ
シュの集水域 (上流域)を対象に算出し
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