企業の事業再編等+実務に関する調査.pdfVIP

平成２０年度 中国進出企業の事業再編等 実務に関する調査 2009 年3 月 独立行政法人日本貿易振興機構 はじめに 2008 年末、中国は改革開放政策30 周年の佳節を迎えた。その間、 中国は外資に対す る大胆な優遇政策を打ち出し、規制緩和を段階的に進めたことで、3 度の対内直接投資 ブームが湧き上がり、多くの外資系企業を呼び込むことに成功した。中国の外資系企業 登録数は2007 年末累計で28 万社を超え、うち日系企業も 2 万3,000 社余りに達してい る。この成功により、中国には輸出の増加、雇用の創出、税収の増加、先端技術の導入 等がもたらされ、いまや「世界の工場」 としての地位を確立するまでになった。 こうした中、米国発の世界金融危機が発生した。特に米リーマンブラザーズ社の経営 破たん（ 2008 年 9 月）以降、世界各国の景気は急激に冷え込み、 実体経済に大きな打 撃を与えるまでになっている。中国も例外ではない。「過熱」が懸念されるほどの高成 長を続けていた経済は、 2008 年は 9％成長と、6 年ぶりに 1 桁台の成長にとどまった。 輸出も同年11 月から 4 ヵ月連続の前年同月比マイナスとなった。 世界同時不況により総需要が急縮小するなかで、世界の工場・中国は輸出産業を中心 に事業のさらなる効率化・縮小を余儀なくされている。日系を含む中国進出企業もこの 非常事態を乗り切るための対応策のひとつとして、リストラや事業再編を真剣に検討し 始めている。ジェトロに日々寄せられる様々な問い合わせのなかでも、中国におけるリ ストラ、事業再編に関する規制・手続きについての案件が増えており、情報ニーズが高 まっている。 日中ビジネスの第一線で活躍する弁護士らも「2009 年は、中国進出日系 企業において事業縮小・撤退に伴う事業再編が本格化する」との認識を示しており、そ の動向に注視していく必要があろう。 本調査は、中国における事業再編実務に詳しい「上海華鐘投資コンサルティング有限 公司」に調査を委託し、実施したものである。中国進出企業の事業再編に関するさまざ まな個別ケースを事例用に整理・統合し、複雑な実務内容を QA 形式でわかりやすく解 説した。本調査が中国ビジネスにかかわる皆様の参考になれば幸いである。 なお、本調査内容は2009 年3 月中旪時点での関連法規をもとに作成している。今後、 中国の政策決定、法整備等より、関連法規の新たな公布、修改正が生じる可能性がある。 中国での事業再編を実際に進める場合には、最新の関連法規を必ず確認するようお願い したい。 2009 年3 月 日本貿易振興機構 貿易投資相談センター Copyright (C) 2009 JETRO. All rights reserved 1 目 次 【設問１】外資来料加工企業の中国国内販売について 3 【設問２】広東省における来料加工工場の現地法人化について 6 【設問３】外資系独資生産企業の生産業務終了と販売業務の付加について 9 【設問４】親会社の合併に伴う中国現地法人の整理統合について 12 【設問５】外資系企業同士が出資する合弁企業の設立について 15 【設問６】合弁から独資経営への転換について 17 【設問７】現地法人の出張所開設について 20 【設問８】保税区進出企業による関連現地法人の吸収合併について 22 【設問９】外資系企業から外資系企業への第三者割当増資について 24 【設問10】外資系企業の対日投資について 26 【設問11】外資子会社の再編統合について 29 【設問12】現地法人の企業分割化について 32 【設問13】保税区企業の商業型企業への変更について 35 【設問14】駐在員事務所から現地法人への切り替