鄂隠慧奯『南游稿』.PDFVIP

１版 様　式　Ｃ－１９、Ｆ－１９、Ｚ－１９ （共通） 科学研究費助成事業　　研究成果報告書 平成 ２８年 ６月 ２８ 日現在 機関番号： ５５４０２ 研究種目：基盤研究(C)（一般） 研究期間：2013～2015 課題番号： 研究課題名（和文）禅林文芸における絶海中津とその門流 （霊松門派）の存在意義 研究課題名（英文）TheraisondetreofZekkaichUshinandhisReishOmon-painaZensectliterature 研究代表者 朝倉　和 （Asakura,Hitoshi） 広島商船高等専門学校 ・一般教科 ・教授 研究者番号 交付決定額（研究期間全体）：（直接経費） 2,900,000円 研究成果の概要 （和文） ：禅林の文学における 「詩の総集」には、伝誦や口承により、作者名や題辞が曖昧な作品が 含まれる。しかし、 『翰林五鳳集』に収録される絶海中津の詩は、主な収集源が 『蕉堅藁』に限られる。また、東福寺 霊雲院蔵 『花上集』の巻末には、義堂周信 ・万里集九らの艶詩とともに、絶海に仮託された詩群が見受けられる。これ らの現象は、当時 『蕉堅藁』がかなり流布しており、絶海が禅林の文学史上、 （仮託されるほど）重要な位置にあった ことを証していよう。 『花上集鈔』における絶海 ・鄂隠慧●・西胤俊承の詩や抄文を読解すると、彼らの典拠の使用状況が、絶海とその門 流 （霊松門派）の詩の特徴や本質を見出すきっかけになることが理解される。 研究成果の概要 （英文） ：AnanthologyinaZensectliteratureincludesoraltraditionswhosetitlesor authorsareuncertain.ButthemainsourcesofthepoetsbyZekkaichUshinin “KanringohOshU” are limitedin “ShOkenkO”.Intheappendixof “KajOshU” ownedbyTOfukujiReiun’in,wecanfindlove poemsbyGidOshUshinandBanrishUkuandagroupofpoemsassumingthenameomZekkai.Thisshowsthat “ShOkenkO” wasverywellknownandthatZekkaioccupiedanimportantplaceinthehistoryofZensect literature. InterpretingpoemsorcommentariesbyZekkai,Gakuin’ekatsuandSei’inshunshOin “aSelectionof KajOshU,” theirusageofworksorhistoricaleventswillrevealtheessenceandnatureofthepoemsby ZekkaiandhisReishOmon-pa. 研究分野： 日本中世文学 キーワード：国文学　中世文学　五山文学　絶海中津　蕉堅藁 様 式 Ｃ－１９、Ｆ－１９、Ｚ－１９ （共通） １．研究開始当初の背景 文学史の中でも、禅林社会の中でも最も重要 な位置を占める禅僧の一人と考えるからで 「五山文学」とは、鎌倉 ・室町時代に五山 ある。絶海や彼の門流 （霊松門派）に関して 派の禅僧によって作成された漢詩文や、漢籍 追究すると、五山文学や禅林社会を取り巻く の注釈を核とする文学・学問活動を言う。な 世界が核心から解明できるのではないかと お、五山派に属さない禅僧の漢詩文をも視野 期待される。なお、絶海には 『蕉堅藁』とい に入れる場合は、 「禅林の文学」と呼称する