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小麦「ふくほのか」のうどん加工適性を高める施肥法を開発 　本県の小麦奨励品種「ふくほのか」※は、多収性で外観品質も良好ですが一般的な水稲跡地で栽培するとタンパク質含量が低めになります。このため、うどんにするとコシが弱いという欠点があり、製粉事業者等の実需者からはタンパク質含量の向上が求められていました。 　県立農林水産技術総合センターでは、多肥栽培（慣行の1.4倍）と5月上旬追肥（10?当たり窒素成分で3～4?）を組み合わせることで、うどん用途に適したタンパク質含量（9.5%以上）に高める肥培管理技術を開発しました。 　この技術は、佐用町を中心とした「ふくほのか」の産地（約90?）に普及しており、「コシのある地場産うどん」用原料の品質向上にも役立っています。 ※県産小麦はうどん（タンパク質含量8～11%）、お菓子（タンパク質含量7.5～9.5%）等多用途に利用されており、用途に即した品質の確保が課題となっている。近年、製粉業界での特色ある商品づくりや価格面等から付加価値の高い「地場産うどん」等の用途としての需要が伸びている。 １　開発技術の内容 　タンパク質含量を高める肥培管理技術を開発しました。 ほ場条件 出穂期（4月中旬）までの肥培管理 5月上旬の施肥 一般的な水稲跡地ほ場 窒素肥料（成分量）を3月上旬までに15?/10?施用 （基肥：5?、2月初旬5?、3月上旬5?） 窒素成分3～4?/10? ※慣行の施肥基準（窒素成分：11?/10?（基肥6?、2月2?、3月3?）） ２　当該技術の効果等 (1) 収量及び品質 収量/10? タンパク質含量 増加収入/10? 肥料等割増経費/10? 開発技術 550? 9.5% 約5,500円 約2,200円 慣行技術 500? 8.0% － － ※小麦の契約価格は、外観品質による等級で決定されておりタンパク質含量が価格に直接関係しないが、収量の増加の外に需要の増や安定、今後の価格形成への効果も期待できる。 (2) 地場消費の拡大 うどん加工に適した小麦生産は、兵庫県生麺協同組合の「兵庫県産『ふくほのか』を使った地場産のうどん」の取り組みなど、地産地消の拡大につながり、小麦生産の拡大が見込めます。 ３　当該技術の注意点 「ふくほのか」は3月中旬から4月中旬にかけて施肥すると、が伸びて倒伏しやすくなります。出穂前の追肥は3月上旬までとし、さらに期間を空けて５月上旬に当該施肥を行います。 ４　今後の普及方針 　「ふくほのか」は姫路市、佐用町を中心に約90?作付けされており、順次普及していきます。 （参考） 　兵庫県生麺協同組合による「兵庫県産小麦『ふくほのか』を使った地場産うどん」の取り組み