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特 集 ２ 学校法人財務分析 学校法人の財務分析 ～2007年問題を控えた大学の財務～ 以前にも増して重要となってきている。 そこで、本稿では学校法人の財務分析の基礎 を企業会計の視点から解説していく。最大のポ イントは、学校法人会計における帰属収入およ び消費支出をそれぞれ学校事業収入と事業外 収入、学校事業支出と事業外支出に区分したこ とである。これにより、代表的な企業の財務指 標であるＲＯＡをはじめとして、売上高営業利 内藤 武史 益率、損益分岐点比率、使用総資本回転率から キャッシュ・フロー指標に至るまでカバーする ことが可能となった。 本稿で示された財務指標を用いて、学校法人 の実際の財務分析にご活用いただければ幸い である。 少子高齢化に伴う“大学全入時代”が2007年 にもやってくる。だが、問題はそればかりでは ない。国立大学は法人化により競争原理が導入 され、私立大学との競争激化は必至である。さ らにインターネット大学が普及してくれば、グ ローバル競争が激化してくる可能性もある。 目　次 こうした環境激変の中で、大学をはじめとす １章　学校法人会計と企業会計 る学校法人の経営力強化は焦眉の急であり、中 ２章　学校法人と企業の財務指標の比較 でも財政は中核的な問題である。学校法人が自 ３章　大学を設置している学校法人の決算書類 らの財務を分析し、現状を把握していくことは 　　　（消費収支計算書、貸借対照表）による分析 44 2006年 春季号 Vol.8 の一部改正に伴う計算書類の作成について（通知）」に １章　学校法人会計と企業会計 より、注記事項記載例として「有価証券の時価情報」 １．私立大学を取り巻く環境の変化と財務 「デリバティブ取引」「主な外貨建資産・負債」 等のモ 　　分析の重要性の高まり デルが提示された。新公益法人会計基準や国立大学 法人会計基準とのバランスという意味が多分に含ま 大学・短期大学への入学志願者数と定員数が一致す る“大学全入時代”が2007年にもやってくる。日本私 れていると推測される。学校法人会計基準も時代の 立学校振興・共済事業団によると、05年度入試で定員潮流と無縁ではないということが明白となった。 割れした私立大学は542校中160校に上り、全体の３ 以上を考慮すれば、学校法人が自らの財務の状況を