TitleAl基三元合金の凝固パスの解析北海道大學工學部研究報告.pdfVIP

TitleAl基三元合金の凝固パスの解析 Author(s)大笹, 憲一; 大宮, 光裕; 工藤, 昌行; 大参, 達也 Citation Issue Date1993-01-29 Doc URL /2115/42337 Right Type bulletin (article) Additional Information Instructions for use 北海道大学工学部研究報釜 第162号（平成4隼） 　IEokkaido　University，　No．　162　（！992） A1基三元合金の凝固パスの解析 大笹　憲一‡　大宮　光裕”＊ 工藤　昌行＊　大参　達也＊ 　　　（平成4年9月18日受理） Kenichi　OffsAsA，　Mitsuhiro　OI－IMIyA， Masayuki　KuDoH　and　Tatsuya　Om　g 　　（Received　September　18，　1992） Abstract well　with　the　calculated　non－equilibrium　solidification　path． 1．緒 言 　合金の凝固プロセスを制御するためにはその凝固パスを正確に知ることが必要である。しかし 二元系合金の場合には平衡状態図から凝固パスを比較的簡単に決定することができるが，実用合 金の多くは多成分系であり，凝國パスを決定することは簡単ではない。本研究では，多元系合金 の凝固の基礎として，三元系合金の凝固パスを，熱力学計算に基づいて解析することを試みた。 対象とした合金は，Al－Ge－Si　a金およびAl－Cu－Si合金の二種類である。これらの合金を対象と した理由は，前者のAl－Ge－Si合金の場合は，この三元系を構成する各二元系が二共晶，一全率固 溶体と比較的簡単な構造であり，その解析が比較的容易なため最初の解析対象として適している こと，およびAI－Si系鋳造用合金の初生および共贔Si相の形態改良機構を理解する上で，この合 金の凝固挙動に関する関心が最近生じてきたため1＞2）である。またAl－Cu－Si合金は，自動車用エ ンジンの金型鋳物に多く使われているAC8C鋳造用合金の基本成分であり，この三元合金の凝固 パスの解析から，実用合金であるAC8Cの凝固挙動を知ることを目的としている。 ＊　金属工学科　金属工学第三講座 ＊＊ ｻ在　北海道拓殖銀行 164 大笹憲一・大宮光裕・工藤昌行・大参達也 2。方 法 2．1　相平衡の熱力学計算方法 　A－B℃三元合金の各栢の自由エネルギーを正則溶体近似により表すと次のようになる。 （1） G　＝＝　O　GA　XA　＋O　GB　XB　＋O　Gc　Xc　＋　RT　（XA　ln　X，x　＋　XB　ln　XB　＋　Xc　ln　Xc　）　＋　EXG ここで，各成分元素をiで表すと，oGは純粋な各成分の！モルあたりの自由エネルギー，　Xiは各 成分の原子分率，1～は気体定数，Tは温度（K）である。またEXOは理想溶体からのずれを表す過 剰自由エネルギーであり，正則溶体近似では次のようになる。 EXG　＝　O，x，X．X，　＋　n，，XBXc　＋　nAcXAXc （2） 定数0は各二元系における相互作用パラメータであり，近年盛んになってきた計算状態図（CAL－ PHAD）に用いられている準正則溶体近似モデルでは温度と組成の関数として表現される3）。本計 算状態図で評価された値4＞～9）を採用した。自由エネルギーGが（1）式で与えられる時，A－B－C三元