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地震保険研究２３ 余震の影響を考慮した 建物被害予測手法の研究 平成２２年９月 損害保険料率算出機構 はじめに この報告書は，地震保険調査研究事業の一環として平成２０年度から ２年間にわたり検討を行った余震活動による建物被害の研究の成果をま とめたものである． 近年発生した被害地震のうち，2003年十勝沖地震や2003年宮城県北部 地震，2004年新潟県中越地震では，余震で震度６弱以上が観測されてい る．特に，2004年新潟県中越地震では，最大震度７の本震のあとに，最 大震度６強の余震が２回，最大震度６弱の余震が２回観測されており， 既往の研究ではこれらの余震活動によって建物被害が増大した可能性が 示されている． このため，地震による被害を想定する上では，余震活動の影響も考慮 することが望ましい． しかし，消防庁や自治体が過去の被害地震で公表している被害のデー タから，余震が被害に与える影響を定量評価して被害予測に利用するこ とは，多くの場合，本震による被害と余震による被害が区別されていな いため困難である． そこで当機構では，地震動によって直接的に生じる建物の被害（倒壊 や損傷）を対象に，被害シミュレーションにより余震の影響を考慮した 建物被害を予測する手法を検討した． 本報告書が防災や保険など災害に係る分野において有益な資料となれ ば幸いである． 平 成２２年９月 損害保険料率算出機構 － 目 次 － 第Ⅰ章 研究の概要 ············································· 1 １．背景・目的·············································· 1 ２．本研究における余震の影響を考慮した建物被害予測の考え方 ·· 2 ３．検討概要 （本報告書の構成）································ 4 第Ⅱ章 被災建物の被害関数の作成 ······························· 5 １．被災建物の耐力残存率の検討······························· 5 ２．被災建物の被害関数の作成································· 9 ３．耐力残存率の被害予測結果への感度の確認·················· 13 第Ⅲ章 余震発生シナリオの設定方法の検討····················· 21 １．余震の発生予測に関する文献調査························· 21 ２．余震発生シナリオの設定方針······························ 27 ３．日本全国の過去の地震活動の分析·························· 31 ４．D値，dM値の設定 ········································· 49 ５．余震発生位置の設定······································ 53 第Ⅳ章 構築した建物被害予測手法の検証························ 63 １．余震発生シナリオのパラメータスタディ···················· 63 ２．余震の影響を考慮した建物被害予測の試算·················· 67 ３．余震発生順序の被害予測結果への感度の確認················ 72 第Ⅴ章 まとめ ·······································