都市における下水道システムの動的特性に関する基礎的研究.pdfVIP

7-006 土木学会第59回年次学術講演会（平成16年9月） 都市における下水道システムの動的特性に関する基礎的研究 ―― 合流式及び分流式下水道の流入変動分析 ―― 東京都立大学工学部 ○学生員 大山 雅之 東京都立大学大学院 正会員 稲員とよの 東京都立大学大学院 フェロー 小泉 明 横浜市下水道局 古賀 淳一 １．はじめに 都市における下水道システムは、公衆衛生の保全や雨水のすみやかな排除という大きな役割を担っている。近 年、環境への関心が高まるにつれ、より高度な処理を安定して行い放流先水域の水質を保全していくことが求め られてきている。下水は、社会活動による汚水と自然現象による雨水により構成され、それぞれ異なった要因に より影響を受けていることで、複雑な変動を示している。今後、合流式下水道における越流負荷量の削減や、高 度処理の導入による処理水質の向上に向けて、下水処理場への流入変動特性の把握が重要となる。そこで本稿で は、横浜市における下水処理場を対象として、規模及び合流式・分流式の違いによる下水処理場への流入特性を 分析し、流入水量・水質のモデル化を試みる。 季節変動係数 降雨量の月別指数 1.30 5.0 ２．フーリエ級数による季節変動分析 降水量 合流式 分流式 1.20 ここでは、都市地域に位置する合流式の４下水処理場と分流 1.10 神奈川 4.0 西部 式の３下水処理場を対象とし、５年間の月平均データを用いる。 1.00 3.0 0.90 合流式及び分流式下水道の流入量について、有限フーリエ級 0.80 2.0 数による季節変動係数と降水量の月別指数(平均を１として基0.70 1.0 準化したもの)を図１に示す。この図より、合流式の流入量の季 0.60 節変動は降水量の月別指数と同じ動きを示している。一方、分 0.50 0.0 4 5 6 7 8 9 10 11121 2 3[月] 流式では合流式と比べ、変動幅は小さいが変動パターンは降水 図１ 流入量の季節変動係数 量と似通っており、分流式でありながらも降雨の影響を受けて 季節変動係数 降雨量の月別指数 1.30