胃癌の内視鏡学的並びに病理組織学的研究.pdfVIP

616:33-006.6-072.1 胃癌 の内視鏡学的並び に病理組織学 的研究 第1編 早期 胃癌の内視鏡像 と癌の深部浸潤度 について 岡山大学医学部第1内科学教室(主任:小坂淳夫教授) 大学院学生　廣 畑 登 昭〔和40年12月22日受稿〕 いずれ も,Schiudler17)18)19),田坂20)21),常岡22),城 I.緒 言 所23)の述べてい る胃内視鏡所見の悪性指標 と本質的 胃癌 に対す る治療 が尿早期発見 による早期手術 が には一致す るもの と考え られ る.しか し,現在 なお, 最 もす ぐれた治療法である現在の状態においては. 早期 胃癌の確実な内視鏡所見の読影の指標 とな るも 早期胃癌 の発見が胃癌に対す る根本対策であると考 のが不充分であるために,早期 胃癌の症例が増加す え られ る. るにつれて,早 期 胃癌の内視鏡所見の読影の指標 と 従来 よ り,胃癌の診 断法 には,レ 線検査,胃 内視 なる所見を有す るにもかかわ らず,病 理組織学的に 鏡検査,細 胞診及び種 々の生物学的方法 などがあ り, は進行癌や非癌性病変である症例及び早期胃癌の内 それぞれ効果 をあげてきた. 視鏡所見の読影の指標を拡大解釈 し,軽微な変化に 胃内視鏡検査では,1868年Kusemalにより直達 注意 しす ぎるためのfalsepoeitiveの症例 の報告 も 鏡 による胃内観察が始 めて試み られて以来,多 くの 多 くみ られ るよ うになつて来てお り13)24)-92),著者 人 々の研究 と努力に より漸次その方法が改善 された らもすでに報告 した所 である33). が,1932年G.WolfとR.Schindlerによ り柔軟 しか し,従来 よ り報告 されてい る早期 胃癌 の内視 性 胃鏡 が完成 され,そ れ以来,胃 鏡検査法が急速 に 鏡所見の読影 の指標 となるものが,病 理組織学的に 普及 され るよ うになつた.本 邦においては,胃鏡の 定義 された早期 胃癌 の内視鏡所見から集積 された も 改良 と臨床面 における応用に多 くの努力がは らわれ のである以上,こ れ らの所見 は胃粘膜の形態的変化 た.し か し,本邦 において,胃 内視鏡検査が一般に のみでな く,病理組織学的な癌の浸潤度の診断が導 普及 され,臨 床 的に応用 され るよ うになつたのは, 入 されているもの と考 えられ る.著者 は,教室 にお 昭和25年宇治1)によ りガス トロカメラが完成 されて いて経験 した早期 胃癌 の症例 について,そ の内視鏡 以来である.それ以後,多 くの人 々の研究によ り器 所見 に検討を加えると共に,内視鏡所見 と癌の深部 械 の改良 と検査技術 の進歩 があ り,現在 では,一般 浸潤度 との関係 について検討を加えた. 臨床検査 として広 く実施 されてい る. II.検査 対 象 早期胃癌の概念,定 義 については,従来 より多 く の報告 があるが2)-7),ガス トロカメラの臨床的応用 検査対象は,昭 和33年か ら昭和39年9月ま