園芸用培土の使用方法（基礎知識）.pdfVIP

～省力化と品質向上を目指して～ 園芸用培土の使用方法（基礎知識） １．育苗のねらい （１）良質苗生産 園芸培土は、良質苗の生産に適した物理性や化学性をもつように製造されて いるのが特徴です。 適度な保水性と透水性は、苗の健全な根張りに適し、苗の生育に必要な肥料 成分・量が配合され、同時に土壌伝染性病害に対する消毒殺菌がされています。 （２）育苗管理の均一化 園芸培土は品質が均一であり、規格化されているので、育苗管理が標準化さ れ、揃った苗が作れます。 ２．使用方法 （１）培土の選択 ☆培土を選ぶ時は、次の点を確認しましょう。 ・作物は何か? →トマト、メロン、スイカ、イチゴ、ネギ、葉菜類等々 ・育苗する時期は?→暑い時期か、寒い時期か ・育苗日数は? →追肥をするか、しないか? （暑い時期はかん水量が多く肥料分が抜けやすい。寒い時期は育苗日数が長い。） （２）ポイント 一般的に果菜類をポットで育苗する場合、窒素成分で１５０～２００mg前後 の培土を用いますが、セルの穴数、穴の大きさによって窒素成分量が少ないも のを選択します。ネギなど育苗日数が長い作物は、窒素成分が高い培土（緩効 性肥料を含む培土）を用いたり、後半の生育を見越してマイクロロングトータ ル （７０日）を施すか、生育の状態を見ながら葉面散布を行うこともあります。 葉菜類はセル育苗が多いため１０ ０mg前後の培土が一般的です。 （ここがポイント！）は種床、ポット、セル育苗? →どのような育苗方法か、ポ ットの大きさ、セルの穴数 ３．使用上の注意点 ・培土は生ものと同じです。直射日光が当る所は避け、早めに使い切るよう勧 めましょう。（特に夏場の高温期や製造月日から日数を経た培土は要注意、肥 料成分が変化してしまい、クレームが発生する場合があります。） ４．培土に含まれる主な原料の特徴 （１）ピートモス⇒水苔などの植物が寒冷地の湿地帯で堆積、分解したもの。 ・保水性、通気性、保肥力が良い。物理性の改良（軟らかくなる）。 ・糸状菌、バクテリア、害虫、雑草種子の心配が無い。 ・分解しにくいので効果が持続する。また２次発酵によるガス害などを起 こす心配が無い。 ・肥料効果は無く、強酸性（ｐＨ3.5～5.5）のため通常園芸培土では石灰 1 等で中和されている。 （注意点）：乾かしすぎると、水を弾くので保存中は湿り気に注意する。 （２）バーミキュライト⇒雲母系の鉱物を焼成、膨張させたもので、光沢を帯び た非常に軽い鉱物質の資材。 ・保水性、通気性が良い。水（重量の約６倍）や養分（特にｱﾝﾓﾆｱやｶﾘ）を 吸着保持し、徐々に放出するため育苗期間中の生育促進に効果がある。 （注意点）：保水性が良いが、吸水するまでにやや時間がかかる。 （３）パーライト⇒真珠岩を粉砕、高温で加熱 したもので、多孔質構造。 ・非常に軽量で主にセル育苗用に用いられる。透水性、保水性、通気性に 優れる。主に培土の軽量化、水分調整資材として用いられる。 （注意点）：保肥力、肥料効果はない。 （４）ゼオライト⇒火山灰が海底に堆積、変性した沸石（ゼオライト）を含む凝 灰岩の粉末。 ・ｶﾙｼｳﾑ、ﾏｸﾞﾈｼｳﾑ、ｶﾘｳﾑ等を含み、保肥力がある。 ・かん水による肥料成分の溶脱の大きい土への添加効果があ