次の表は、戦前の旧制高等学校またはそれに相当する教育機関.docVIP

出題者による解説 １）旧制高等学校制度の変遷 明治19年の「中学校令」により高等中学校として発足した。 全国を５つの学区に分け、それぞれに１つずつ高等中学校を設置した。設置都市は東京、京都、仙台、金沢、熊本。なお、このほかに寄付金による維持を前提に山口と鹿児島にも設立された。 明治19年は、この「中学校令」を含む「学校令」が施行された年であり、この学校令には文部大臣森有礼の外国語教育重視の考えが反映されている。 明治27年に「高等学校令」が公布され、「高等中学校」が「高等学校」となる。 高等学校は法令上専門学部を主体としていたが、帝国大学に進学する者のために大学予科が設けられ、以後終戦時に至るまで実情としてはこちらが主体であった。 第一から第八までの高等学校が設立された。 大正7年に新「高等学校令」が施行され、以後基本的にはこのときの制度が終戦まで続くこととなった。 松本、新潟、松山等官立のいわゆる地名高等学校が設立された。また武蔵、甲南、成城、成蹊等私立の、また東京府立、浪速等の公立高等学校も創設された。 修業年限を7年とする学校を原則とし、尋常科４年、高等科３年の修業年限とした。官立はほとんどが高等科単科で、私立、公立は７年一貫が多かった。 昭和22年の「学校教育法」によって旧制高校は制度的に廃止され、最終卒業者を、昭和25年に送り出し明治以来の歴史に幕を閉じた。 ２）ドイツ語を中心に、戦前の外国語教育の傾向を探る上で参考になる事柄を列挙します。 安政三年（1856）蕃書調所を創設。万延元年（1860）蕃書調所を拡充し、従来の蘭学のほか、英学、仏学を講じ、さらに独語と露語を教授した。（海後宗臣編『日本近代教育史事典』による） 獨逸語の研究が初（ママ）まったのは最も遅れて居る、杉田成卿が嘉永元年（西暦1849）に著した「濟生三方」には独逸書から参照した條があるということである。其後安政四年（西暦1857）に蕃書取調所の頭取古賀謹一郎が市川齋宮に勧めて、獨逸書を学ばせたが、加藤弘蔵（弘之）も市川と共に之を修めた、文久二年（西暦1862）には洋書取調所に初めて獨逸語の教員が置かれた。（教育史編纂会『明治以降教育制度発達史第1巻』より） 明治2年5月開成所に於ては正則科中に獨逸語学を置き佛人ガローを獨逸学及文学教師とした。 開成所：昌平黌と並び幕府の学問所。明治2年、開成所、昌平黌、醫学所を綜合して大学校とし、昌平学校を其根幹とし、醫学所、開成所は共に大学校の分局とした。 明治3年2月政府は大學東校（旧醫学所）の醫学教師二人をプロイセンから招聘するため、当時日本駐在の獨逸北部聯邦公使フォン?ブラント（Max August Scipio von Brandt）と交渉した。 この件に関する『明治以降教育制度発達史』の解説を以下に引用する。 当時わが国では英語が重んじられ、学問の如何なる方面に於ても英語に依るべきものと考えられていた際に、獨逸より医学教師を招聘することとなったのは医道取調御用掛として大学東校を主宰していた相良知安の意見に基づいたものである。（中略）相良は明治二年就職の当初よりフルベツキの意見などをも聞き、世界中で医学の最も進歩せる国は獨逸であるから、医学教育に於いては獨逸語に依って独逸流の医学を授くる方針を立つべきことを力説して遂に政府を動かすに至ったのである。且相良の説に依て明治三年十一月十余人の医学留学生が獨逸に派遣せらるることとなった。（中略）尚お獨逸医師の招聘は普仏戦争が起こった等のために遅延して、ミュルレル、ホフマンの二人が実際わが国に来着したのは明治四年である。 明治４年１月大学南校（明治２年統合された「大学校」の洋学部門）ではプロイセン政府に嘱して招聘した独逸学教師ホルツが来たので、校中に仮教場を設け、16歳以上18歳以下の者30名を募り3年の修業年限で「独逸学」を開講した。神田錦町三丁目に別に校舎を築き独逸学教場と称した。（『明治以降教育制度発達史第1巻』） 明治5年から8年は私塾全盛時代で、圧倒的に多かったのが英語塾。（『日本近代教育史事典』） 官立外国語学校の創設：明治6年東京、明治7年、大阪、長崎など7校（『日本近代教育史事典』） 東京外国語学校に英、仏、独、清、露の五ヶ国語を設けた。 明治7年、東京外国語学校は英語科を分離し、「東京英語学校」とした。他の地方の外国語学校も英語学校と改称。 明治10年代には多くの外国語学校が廃校となる。東京外国語学校は明治18年東京商業学校と併合され、以後明治30年まで廃絶状態にあった。 明治10年代、私立の英学塾は急激に減少。変わってキリスト教主義の学校での英語教育がさかんとなる。（『日本近代教育史事典』） 明治14、5年ごろから、急速にドイツ語教育への機運が生ま