第3回名古屋YICC講座-tieno-wa.cocolog.docVIP

　　　第３回　名古屋ＹIＣＣ講座　　 第６回目　講座日（１２月）宿題 稲垣　千枝子 ヨーガのアーサナとスポーツとの違い 　 スポーツ アーサナ １やり方 速い動き、動的、反復 ゆっくり、安定と保持、快適 2エネルギー 消耗 保存 ３効果 肉体疲労 弛緩、落ち着き ４自我意識 自己顕示、闘争心強化 自我意識の昇華 ５進歩 暗性から動性へ 動性から善性へ ６影響を受ける組織 体壁筋、呼吸、循環器系 呼吸循環器系、消化器系、内分泌系、免疫系 ７目的 体を活動的にする 体の内部を全て静かにしていく 両者には以上の７点において特徴的な違いが見られる。各点におけるアーサナの特徴の 補足を付け足しておく。 １やり方　 動作はゆっくり、なめらかに意識的に行う 自分の行っている動作のを過程を、はっきりと意識的にとらえることができる。精神の集中度を高めると共に自律神経への効果的な刺激をもたらす。 緊張と弛緩を交互に行い、その連続的な過程に精神集中する 体の内側で反応している声に静かに耳を傾けていく 動作と呼吸を同調させる 体全体はリラックスさせながらも動作に関係する身体部位には精神集中する 体をバランスのとれた落ち着いた状態にする 脊椎を中心にした各ポーズを重要視する ３効果?６影響を受ける組織 自律神経網を健康にしていく。 治癒力を持っている、気（プラーナ）を体の適当な箇所に送り込むことによって、それを受けた諸器官と、内分泌が出される箇所にも効果を及ぼす。 「調気法」（呼吸作用をゆっくりとさせて体内の生気の流れを整える）、「リラクゼーション」「瞑想法」（心の感情の働きを沈め、深層意識が癒される）などのヨーガ療法の各種技法と組み合わせて行う事でより大きな効果を生じさせることができる。 心の働きをリラックスさせ種々の感情を解放できれば、肉体においても緊張感がほぐれてくるのである。心と体は密接に繋がっているものなのでこの逆も又、真であるといえる。つまり心身共に良い影響を及ぼす事ができるのである。 ４自我意識?５進歩 パタンジャリ大師は、ヨーガスートラの中で「ヨーガとは心の働きを制御することである」と著わしている。この心の働きを制御する能力には２種類がある。 自分の意識を集中させる能力 心の働きを自分の意志の力で静める能力 このうち、②の能力は身に付けるのが困難であるが、ヨーガの一連の実習は、よく知性を働かせて自分のおかれた状況に応じて心の働きを静めていける技法である。最終的には自分の心を、どのような時や行為の中にあっても静寂に出来る力を身に付けていく事ができるのである。 参考文献：ヨーガと命の科学?よくわかるヨーガ療法?ＹOＧＡ 心身症の病気を治す為に無心さを造りだす事が大切な理由 ヨーガ療法が健康の実現を考える場合、人間をインド古来の身体観である人間五臓説に基づいてとらえていく。人間を構成する五つの鞘のうち、意志鞘の乱れから生じる病気には、全ての心身相関疾患と身体機能の退行に関連する病気が含まれると考えられている。これらの病気は患者の意志鞘の乱れ、いわば心理的要因が大きくその病因に影響していて、無智（アディ）と呼ばれる心の欠陥からくるという。 好き、嫌い?幸、不幸といった二極の対立物に心が過度に偏っていき、そのまま心に固定されてしまうと、その心がその人の性格までも歪め、やがては内なる調和状態からの完全な力（歓喜鞘）が粗雑な鞘（食物鞘）まで届かなくなって病気が出てくるのである。 ここでいわゆる心身症の患者に対して必要なのは、くつろぎと、精神を集中させることによって自己の内面をじっくり見つめることである。心の中の葛藤やストレスを素直に受け止め、暴走している今の感情の状態をを理解する事が第一歩になる。「認識できれば問題の半分が解決したに等しい」これは精神分析者が患者の内面の葛藤を聞きだして、それに真っ向から対決させるやり方に似ている。　次にそのような感情の乱れを抑え、平静さをとり戻していく事で、その症状は次第に緩和されていくはずである。 しかしこれだけではこの病気の根本原因を取り除く事はできない。 ヨーガの聖典によれば、「完全なる幸福とは無心さの中にある」とされている。その無心状態にあって、人は外からの刺激に惑わされることなく、全く平静で自由自在に行動できるのだと聖典には記されている。 何か嬉しい事があった時、ずっと欲しかったものが手に入った時など、ある種の行為や経験は、より精妙な鞘まで至れる通路を開くようになっていて、そこから健やかな思いが生じて来るようになっている。つまり一旦歓喜鞘を通して快感が生じるのである。 これは真の幸福といわれる無心さが一時的に生じたことで生ま