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柱崩壊と梁崩壊 塑性設計の話 塑性設計の概要 柱崩壊と梁崩壊とは 柱、梁のどちらが先に塑性変形するか ということです。 塑性変形を考慮した設計法を 塑性設計と言います。 よく、昭和56年の建築基準法改正以前に建てられた建物は、耐震強度が低いと言われます。 しかし、改正によって、想定地震力が引き上げられたわけではありません。 昭和56年の改正の内容は、  ?バランスの悪い建物を制限した  ?塑性設計を取り入れた この2点に集約できます。 弾性と塑性 しつこいですが 元の形に戻らないとは どういう事でしょうか? 塑性変形した例 もういちど弾性と塑性 2 塑性設計するわけ 塑性領域まで使っても、それほど 耐力が大きくなるわけではありません では、いったい、何のために 建築では、塑性変形まで 考えるのでしょうか 地震荷重の特殊性 1 大きな物体が振動すると、 その上の小さな物体は大きく揺れます。 地震荷重の特殊性 2 地震は、地球の一部が揺れ動く どうやら、われわれは とんでもないものを相手にしているらしい ということが、わかってきました。 まともに太刀打ちできる相手ではないので、 その力をうまく逃がす工夫が必要です。 地震力をうまく逃がした例 法隆寺の五重塔が どうやって地震力を逃がしているのかは いろいろな説がありますが そのひとつは 組み合わされた部材が擦れあうことで エネルギーを吸収している というものです。 ではなぜ、エネルギー吸収が有効なのでしょう エネルギーと運動の関係 大きな質量の運動が、小さな質量に伝わると、運動(速度)が増幅される 鋼材の塑性変形で吸収できるエネルギー エネルギー吸収によって、 建物に伝わる振動がへる ただし、これは現在では 仮説のひとつにすぎません。 しかし、鋼の大きな塑性変形能力が 鉄骨造の耐震性を高めているのは まちがいないようです。 3 どんなとき塑性設計するのか ルート1の設計 規模等 : 小さいものに限る (階数3?高さ13m?軒高9m?スパン6m?延面積500㎡ 以下) 計算方法 : 許容応力度計算のみ 地震力 : 0.3G 通常の1.5倍 塑性の考慮 : 仕口の破断防止 ルート2の設計 ?規模等 : 超高層以外すべて。ただしバランスの良い建物に限る 偏心率、剛性率の制限 ?計算方法 : 許容応力度計算のみ ?地震力 : 0.2G ただしブレースの割合に応じて最大0.3G ?塑性の考慮: 仕口の破断防止?柱脚の破壊防止?座屈防止、局部座屈防止 板厚の制限 ?その他 : 仕上げ材脱落の防止(過大な変形禁止) ルート3の設計 ?規模等 :超高層以外すべて ?計算方法 :許容応力度計算と保有水平耐力計算 ?地震力 :許容応力度計算 0.2G 保有水平耐力計算 1.0G ただし伸び能力に応じて0.25~0.55倍に低減 ?塑性の考慮 :個別の制限はない  すべて、保有水平耐力計算で考慮 ?その他 :仕上げ材脱落の防止(過大な変形禁止) 4 塑性設計から見たSN鋼 SS鋼とSN鋼の違い(2)   SS400の場合 SN400B,C , BCP235の場合 BCR295の場合 角型鋼管の規格 SN400B →冷間加工→ BCR295 降伏点強度が上昇 SN400Bと異なる規格 SS400 →冷間加工→ STKR400 降伏点強度が上昇 (平均355N/mm2) が、SS400の規格をそのまま適用 SN400B →冷間加工→ BCP235 加工は角の部分だけ SN400Bと同じ規格 引っ張り、圧縮を交互にかけた場合 後半へ続く?????? 参考文献 井上一郎 / 建築工構造の理論と設計 / 京都大学学芸出版会 社 鋼材倶楽部 / 建築構造用圧延鋼材 SN材 JIS G3136-1994 財 日本建築センター / 冷間成型角型鋼管設計?施工マニュアル 足利裕人 / 力学シミュレーション入門 / 現代数学社 おまけ ページに空きができたので、ここで、建築基準法の地震力の考え方などを紹介しておきます。 関東大震災 1923 330ガル M 7.9 十勝沖地震 1968 八戸 235ガル M 7.9 宮城県沖地震 1978 432ガル M 7.4 兵庫県南部地震 1995 818ガル M 7.2 とはいえ、多くの方々には、「ガル」よりも「震度」のほうがお馴染みでしょう。 震度は、昔は、気象台の予報官が、体感で決めていました。 平成8年から加速度地震計を使うようになりましたが、体感で決めていた時代と整合するように??? 建築基準法では、昭和56年以前は震度係数 0.2という呼び方で、それ以降は層せん断力係数 0.2という呼び方で、許容応力度設計で使う地震力

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