平成25年夏期における高温対策技術（案）.docVIP

平成25年夏期における高温対策技術 平成25年７月29日 広島県農林水産局農業技術課 広島県では，５月中旬より平年より気温の高い日が続いています。５月第４半旬から７月第５半旬までの２ヶ月の平均気温は，平年に比べ1.9℃高い25.1℃となっています（アメダス観測地点：広島）。 このため，今後の気温の推移によっては農作物の生育への影響が懸念されます。 次の対策を参考に，被害を最小限に食い止めるよう努めてください。 なお，この時期の農作業は熱中症を生じるがあるので，気温の高い時間帯を外して作業を行うとともに，休憩をこまめにとり，作業時間を短くする等作業時間の工夫を行水分をこまめに摂取し，汗で失われた水分を十分に補給すること等に注意。　 （東部農業技術指導所管内） 一時的な降雨が各地で見られる。７月の高温で早生の生育は進んでいる。（早生品種の出穂が平年に比べて３，４日早い。） 　カスミカメムシ類は，平年に比べやや多い発生となっている。 （北部農業技術指導所管内） ７月の高温?多照により生育は進んでいる。 　局所的に葉イモチの発生がみられる。またカメムシ類は，平年に比べやや多い発生となっている。 【栽培管理対策】 生育期間の中で最も水の必要な時期は幼穂形成期と穂ばらみ期なので，地域ぐるみでの計画配水を行う。用水が極端に少ない場合でも，この時期にはできるだけかん水を行い，出穂?開花期はほ場の土壌を湿潤状態に保つ。 防除や穂肥施用は時期を遅れないように注意する。 カメムシ類の防除時期を逸しないようにする。（各指導所の病害虫発生予察情報　参照） 稲こうじ病やもみ枯細菌病等の発生し易い地域では予防的防除に努める。 高温登熟による白未熟粒の発生抑制対策として，登熟期間中は，極端に水を切らさないよう，間断潅漑に努める。落水時期の基準は出穂後25～30日頃であるが，土壌条件，気象条件などに応じて調整する。 大豆 全般 土壌が乾燥しないよう早めに畝間かん水等を行う。ただし，大豆の葉腐れ病の発生が懸念される地域で，密閉度の高い生育ほ場ではかん水に留意する。 　開花期～幼莢期の乾燥は受精不良による稔実不良を引き起こすので，乾燥させないようかん水を行う。 作目 種類?作型 栽培管理対策 野菜 全般 ○厚めの敷きわらを行う。 ○ほ場乾燥に注意してかん水を実施する。 果菜類は開花期～果実肥大期に重点かん水する。 葉根菜類は播種期，移植期及び葉数増加期の重点かん水に努める。 畝間かん水は気温が下がる夕方から早朝に実施する。 奇形果，くず果の早期摘果による着果負担軽減を行う。 強整枝，剪定は避け，果実へ直射日光があたらないようにする。 生理障害の発生に注意し，早めの葉面散布及び，施肥を実施する。 トマト，ピーマンの石灰欠乏に注意 スイカ，ナスのホウ素，苦土欠乏に注意 アブラナ科のホウ素，石灰欠乏に注意 〇葉面散布は，日中の高温時を避けて，葉の裏側に散布する。 施設内の高温に注意し，換気を実施するとともに遮光資材を活用する。 収穫は気温の低い早朝に実施する。 出荷時の過熟果や生理障害果の混入に注意する。 アスパラガス 〇ほ場の乾燥に注意し，十分なかん水を実施する。 ホウレンソウ ○遮光資材で被覆しハウス内の温度を下げる。 ○発芽ムラを防止する。 ?播種量を20％程度増量 ?やや厚めの覆土 播種後の十分なかん水 播種後の寒冷紗のベタがけ ピーマン ○収穫は，Ｌ，Ｍ中心にやや若もぎを実施する。 ○徒長枝や株元の込み合った側枝の剪定と古葉かぎを実施する。 根いたみ防止のため，敷ワラと適切なかん水を実施する。 高温になると乾燥による日焼け果が発生しやすくなるので，かん水量を増やす。 イチゴ ○苗床及び鉢土の乾燥に注意してかん水する。 ○本葉３～３．５枚程度に下葉かぎを順次実施する。 ○苗床の日中の遮光処理を実施する（遮光率30～40％）。 トマト 〇ホルモン処理は，日中の高温時を避け，気温の低い時間帯に実施する。 ○ほ場の乾燥に注意し，適切なかん水を行う。特に高温になると蒸散量が増えるのでかん水量を増やす。 花き 共通 〇充分地温が低下した夜間から早朝にかけて畝間かん水等を行う。ただし，過剰なかん水は，開花期間近のものは上位節間が間延びし，切り花品質を低下させ，また，滞水させると根腐れを起こすので注意する。 畦面に敷きわら等を行い，地温上昇抑制と土壌水分の蒸発を防ぐ。 露地キク 〇高温乾燥によりハダニ類，スリップス類，アブラムシ類が増加するため適期防除に努める。 リンドウ ○高温による葉焼け症対策として，黒寒冷紗被覆により50％前後の遮光を行う。 作目 種類?作型 栽培管理対策 果樹 共通 ○かん水施設?機材の整備と用水を確保する。 ○園内