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須田家文書 ① 清庸遺言 「須田又三郎守袋江入」 清庸遺言、我養家而 十三歳親子結六歳 当時家行相続付養 親江出願致其節無利 而有利、是ヲ申聞者不 孝ト成る、離家ト成事世上 之面目不過之、併一 度親子之愛縁難離、 我何住居致其運 開者可成力若又運 不致者今生之別可 成堅固生祷所候、 文政五 午九月日清庸（花押） ☆文政五（一八二二） ②　清庸遺言 （包紙） 「相続の遺書」 （袖裏） （印）（印） 三十六才男子、此節身分之 心配自他不興之気色有之候て、 親夫婦之内男之方至る気強に して合気無之相高候而、此人ハ 自分を破する心に相高候所、 西南之方に其おだてかたあふも 有之、夫ニ付て東所の方に 男子味方口添へ候人も有之、 此輩の親父の方をおだて候へば、 いよいよ夫にのりての事に 相高候へば、ひとたびハこちらより かの俗にいふと番をきつて いてざれば、後にハからかひ破り とも成るべし、所詮三十六才の 人、此家をいつる時ハ、跡の□方 むつかしく候得共、右老人の心から なれば是非なく候、右之義 いつはいに取斗ひて、後また 身分と理のたつべき事慥ニ有之 可申候、夫より来年之事可成候、 清庸の三十六才は文政四年か？ ③ 家名相続并家徳割宛遺書 　家名相続并家徳割宛遺書之事 天保八酉年庄屋所改 一田畑惣高三拾壱石三斗三升三合 右之地弐ツ割新類立合割宛之事 須田芳太郎 須田亀尾女 （婿養子有之迄かり名前なり 芳太郎生起無覚束婿養子縁段相整候上其仁政見立 母幸ヨリ我等遺言致置候趣申聞せ婿養子之者ヨリ 清庸ニ替りて芳太郎身之上世話いたし呉候事 外ニ清泰寺高ハ隠居附ニ宛置年々積金可致事 一坪内佐左衛門御知行新田御手作御不如意ニ 而清庸若年より之積金を以求置候別紙証文二通有 　之候永々故障無之御証文也、此分ハ相続之あてニハ 　不致年々隠居分として積金ニいたし不事変事 　用意金ニ可致店方ニて支配いたし年内入用ニハ差 くわへ申間敷候此分ハ清庸若年ヨリ積金いたし求 置候故隠居分いたし外へ少もち分し申ましく万 　一坪内家より受戻シ之儀も難計其節ハ右代金受取 慥成かたへ預け置利息積金可致此趣無相違急度可 相守事 一姉弟両人之儀常々睦敷致可相守候婿養子有之上ハ 　十ヶ年余も同居致内輪美敷相談之上積金可致其上和 談之上可取計事 一御役儀ハ此家ニ而相勤門内ニ時節見合御役宅家作 可致方位考図面認置候、丁未年当年ヨリ九ヶ年過て 午未申之方吉方也、此年ニ 至りて普請家作可致事、 附り十ヶ年余同居と申ハ芳太郎成人妻縁之上 之事なり、芳太郎生起見通無覚速仍而養子婿 江頼置候目出度繁栄祷所候 一第一家内睦敷和合勘用之事、 一朝寝致間敷事 一隣家義三郎ハ当店方締り之為ニ養子ニ いたし候上 ハ先庄兵衛同様万事ため筋相勤日々店方見廻可申 事、利八義ハ勿論之儀折々立入世話いたし旅行商売 万端気を配り無人差支候節ハ何事ニ而茂 私用差延 旅行相勤両人ハ格番出立可致事 一清庸当亥の九月俄ニ 発病中風ニ而茂候はと心配之 処思ひ之外軽病風とく足痛煩ひ十二月ニ至り全快 常々健ニ者有之候得者不申及事なから常々孝養可 為事、 一両家ニいたし候後酒造ニ而茂いたし候歟、又ハ質取 　候か、当店方ニ而 別段支配之者召仕、二軒一家ニ而 渡世いたし候かた末々のためなるへし、爰之所ハ後々 篤と相談いたし可取定此節難書遺ニ付荒々認置候、 一先祖之霊前中興開山宗冠居士妙玄大姉右霊前ハ不 　申及、其外世代之外相続無縁之仏年回命日不可失回 　向之事 一諸事倹約専之事 須田三郎兵衛 五拾四歳 清庸（花押） 天保十年亥十二月 一追書始事ハ婿養子相定り候上夫を大切ニ 親同様常 　々睦前書之趣一々和合相慎可申事、 ☆天保十年（一八三九） ④　八幡宮牛王宝印誓書 誓書 一私身之上之儀今般心底相改 御誓導之趣急度相慎可申候、 　此以後右違犯之筋於有之者 　可蒙日本之神祇氏神之 御罰者也、依之誓書如件、 須田茂三郎 天保十一子霜月 誓人 古田吉之