図1経済成長率（2004年2017年）-zm.emb.pdfVIP

1｜Page ザンビア投資関連情報 （製造業） １ マクロ経済概況 過去１０年間のザンビアのマクロ経済見通しは良好で，２００４年から２０ １３年までの期間の平均経済成長率は７．８％超を記録した。２０１４年の経 済成長率は６．５％に到達する見込みであり，経済成長は引き続き維持される ものと予測されている。 （出典：CSO Data） ザンビアの経済成長は，銅を主とする一次産品の需要によってけん引され ている。製品の原材料となる鉱物や農産物等の一次産品に比較優位があるにも かかわらず，ザンビアは，一次産品の付加価値の最大化に失敗している。 したがって，製造業は，ザンビア政府が民間投資を介して発展を試みている 優先分野であり，ザンビア政府の政策においては，「一次産品の採掘に依存する 経済」から，「一次産品に対する付加価値を促進する経済」への構造変化に焦点 が置かれている。 （１）ビジネス環境の奨励 ザンビアは，事業設立や建設許可取得，資金調達，納税などをより容易にす ることにより，ビジネス環境の改善をすすめている。こうした取組にもかかわ らず，世界銀行が毎年編纂している「ビジネス環境指数」ランキングの２０１ ５年版において，ザンビアの順位は，１８３か国中,前年（２０１４年）の１０ ７位から１１１位となり，前年から順位を４つ下げた。さらに，表 1 が示すよ 7% 7.2% 7.9% 8.4% 7.8% 9.2% 10.3% 6.3% 6.7% 6.7% 6.5% 7.3% 7.9% 7.7% 図1：経済成長率（２００４年―２０１７年） 実質経済成長率 予測値 （2014-2017） 2｜Page うに，電力のアクセス，不動産の登記及び貿易のしにくさは，ザンビアでビジ ネスをするうえでの最も大きな制約となっている。 表１：ザンビアの「ビジネス環境指数」ランキング，2014年?2015年 トピック ２０１５年順位 ２０１４年順位 順位の変動 事業設立のしやすさ 68 72 ↑4 建設許可取得のしやすさ 99 102 ↑3 電力アクセスのしやすさ 126 126 変動なし 不動産登記のしやすさ 152 106 ↓-46 資金調達のしやすさ 23 30 ↑7 投資家保護 83 81 ↓-2 納税のしやすさ 78 80 ↑2 貿易のしやすさ 177 177 変動なし 契約執行のしやすさ 98 98 変動なし 破綻処理のしやすさ 95 95 変動なし 総合順位 111 107 ↓-4 （出典：World Bank） （２）外国直接投資（ＦＤＩ）の急増 ザンビアの外国直接投資（ＦＤＩ）の状況は良好である。２０１２年の製造 業に対するＦＤＩ流入額は，総額の２７．１％にあたる４億６９６０万米ドル という額を記録し，セクター別に見ると，鉱業に次いで高い数値である。なお， ２０１２年の製造業に対するＦＤＩ流入額は，２００９年比６４％増となって おり，ザンビアの製造業のビジネスチャンスに対する投資家の信頼が高まって いることを象徴している。 （出典：BOZ, ZDA, CSO Data） 694.8 1731.6 285.7 469.6 2009 2012 図2：FDI流入額（百万米ドル） FDI流入額（総額） 製造業に対するFDI流入額 3｜Page （３）安定的な政治情勢 ザンビアは新興民主主義国であり，平和的でかつ政治的に安定している。ザ ンビアは，２０１４年の「世界平和度指数」ランキングにおいて，世界で４４ 番目に安全な国と順位付けされたことが示すように，平和的で政治的に安定し たモデル国として国際的に認知されている。 ２ 製造業発展のための政策，戦略，国家計画 （１）ビジョン２０３０ ビジョン２０３０の包括的目標は，ザンビアが２０３０年までに経済的に繁 栄した中所得国になること，及び，一次産品依存の経済から製造業主導型経済 へと構造転換することである。 （２）改訂第６次国家開発計画（Ｒ－ＳＮＤＰ） Ｒ－ＳＮＤＰは，２０１３年から２０１６年を対象期間とするザンビアの中 期的な開発計画である。Ｒ－ＳＮＤＰ内での製造業にかかる目標は，産業基盤 の拡大ならびに一次産品の付加価値の増加を通じ，民間セクターの参加促進で ある。また，競争力のある零細中小企業（ＭＳＭＥｓ）及び農村部に拠点を置 く企業の成長促進も目標である。 （３）商業貿易産業（ＣＴＩ）政策 同政策の全体的な目標は，２０１５年までに競争力があり，輸出主導型の製 造業を発展させ，製造業がＧＤＰの２割を構成することである。同政策では，