く説法律の読み方①.pdfVIP

法 律 知 識 法律の読み方① 吉田　利宏 第 回 筑波大学法科大学院非常勤講師 3 Yoshida Toshihiro 1987年衆議院法制局入局後、15年にわたり法案や修正案の作成に参画。 主な著書に『法律を読む技術・学ぶ技術』［第2版］（ダイヤモンド社）、 『ビジネスマンのための法令体質改善ブック』（第一法規株式会社）など。 ントカードに関するルールをもし条文で書くと 法律の構成 すれば、「ポイントの貯め方」とか「ポイント 「昨日の株価はいくらだった？」新聞を渡し の使い方」といった事項が本則で書かれるべき て大学生に尋ねても、なかなかその答えは返っ 事項です。「新しいポイントへの移行時期」や「古 てこないものです。「あれ、どこだっけ…」新 いポイントから新ポイントへの交換ルール」と 聞のあちこちをめくって探します。しかし、こ いったことが附則事項となるでしょうか。 れがビジネスパーソンならすぐに答えが返って くるはずです。「経済面がどこか」ということ 本則の４つのパーツ が既に頭に入っているからなのでしょう。その 本則は、さらに、その内容を４つのパーツに 証拠に、学生であってもこう尋ねたら、たちど 分けることができます。「総則」「実体的規定」「雑 ころに答えてくれます。「昨日、阪神勝った？」 則」「罰則」がそれです。消費者安全法の目次 法律もどこにどんなことが書かれているのか、 で示すと、次のようになります。 「紙面割」みたいなものが頭に入っていると条 総　則◦第１章　総則（1条–5条） 文を探すのが早くなります。 ◦第２章　基本方針（6条・7条） ◦第３章　消費生活相談等 本則と附則 　　第１節　消費生活相談等の事務 の実施（8条・9条） 法律は大きく「本則」と「附則」に分かれま 　　第２節　消費生活センターの設 本 実体的 す。本則とは「これからもずっと必要な規定」 置等（10条・11条）