みんなに話したくなる！ はじめて学ぶ 病院経営のしくみ.PDF

みんなに キャリア＆ライフ 話したくなる！ ●企画・執筆 株式会社川原経営総合センター 取締役　会計業務部門統括 病院にも不景気は関係するの？　患者さんがいっぱい来ることは良いことなの？ 海江田鉄男 自分が勤める病院のこと、もっと知りたいと思いませんか？　 （かいえだ・てつお） 経営のプロがわかりやすく解説します！ 回 第 5 これまで利益とか費用について教えて 病院は営利目的ではないとはいえ、収 もらいましたけど、肝心の「収入」につ 入がなければ経営が成り立ちません。 いて知りたいです。患者さんがたくさん でも、「在院日数の短縮」が言われたり 来て、長い期間入院してくれたら、病 していますよね。それぐらい、病院の収 院は儲かりますよね？ 入に関しては複雑になっています。今回 は収入のことが少しでもわかるように解 説していきます。 こずえちゃん ドクターマネー ますわかりにくくなっています。 平均在院日数だけに とらわれてはいけない！ ではよく耳にする 「平均在院日数」から 教えてください。 　病院の収入のなかでも、まず入院収入について考えて みましょう。一般病院でも全体の6割以上を占めるのが 　平均在院日数は、診療報酬請求の「一般病棟入院基本料」 「入院収入」です。しかし、これがとても複雑なのです。 （表1）に深く関わっています。病院には、ご存じのとおり、 こずえさんが理解しやすいように、がんばってわかりや 療養病棟や精神科病棟、結核病棟等のほかに「一般病棟」 すく説明していきます。 があります。この一般病棟でDPCを適用する場合や特定 　入院収入には、手術や検査・投薬などの行為に基づい 入院料を採用する場合以外は、一般病棟入院基本料で診 て請求する「出来高請求」のほかに、一部の検査や投薬 療報酬を請求します。 については出来高請求を認めない「包括請求」、さらには 　表1をご覧いただくと、この入院基本料は看護配置と 病名や症状によって請求する「DPC（diagnosisproce- 医師配置、そして平均在院日数によって条件が定められ durecombination）適用請求」があります。 ているのがわかります。ただし、7対1入院基本料を選 　このように請求