社会科学习指导案（地理的分野）.PDFVIP

１９ 社会科学習指導案（地理的分野） 日時 平成24年５月２５日（金）第２校時 対象 １年１組（男子20名女子20名計40名） 指導者 教論佐伯暁仁 １単元「世界各地の人々の生活と環境」 ２単元の考察 本単元は，世界各地の人々の生活の様子とその変容について，自然及び社会的条件と関連付けて考 察させ，世界の人々の生活や環境の多様性について学習する。世界各地の人々の生活は，地形や気候 などの自然的条件と，宗教や地域の歴史的背景，民族構成などの社会的条件という二つの環境条件と 密接にかかわっている。また，伝統的な生活様式は変容しないものではなく，例えば，他の文化との 接触や新しい技術の導入，経済活動の活発化といったさらなる諸条件によって変容してきている。 生徒は，アンケートによれば，社会科の学習に関心をもっている生徒は28名（70％）おり，ほとん どの生徒が社会科の学習に意欲的に取り組んでいると言える。しかし，分野別に見ると，歴史的分野 に関心をもっている生徒が30名（75％）いるのに対して，地理的分野に関心をもっている生徒は10名 （25％）にとどまった。生徒は小学校６年生の時に，日本とつながりの深い国の人々の生活の様子に ついて学習してきている。しかし，ほとんどの生徒は，雪と氷の中で生活している国での寒さを防ぐ ための工夫や常夏の国々での暑さをしのぐための工夫については答えることができなかった｡つまり， それぞれの地域で具体的にどのような生活が営まれていて，その生活が気候や地形などの自然的条件 や宗教や民族などの社会的条件などと，どのように関連しているかについては説明ができなかった。 これらのことから，世界各地の人々の生活をおおまかにイメージをもつことができているが，世界の 人々の生活を自然及び社会的条件と関連付けて考察することができていないことが分かった。 指導に当たっては，世界各地の人々の生活と密接にかかわっている自然及び社会的条件に焦点を当 て，世界各地の人々の生活の多様性に気付かせたい。そのために，まず，世界各地で見られる気候に ついて取り上げ，どのような地域にどのような気候帯が広がっているのか，理解させる。次に，「温 暖な地域」「乾燥した地域」「海抜が低い地域」「寒い地域」「寒暖の差が激しい地域」「暑い地域」「海 抜が高い地域」という七つの特色ある自然環境をもつ地域を取り上げ，その地域で見られる衣食住の 様子や宗教が生活にかかわる様子を具体的に追究させる。その際，衣食住の様子が読み取れる実物資 料や写真，映像などを複数用意し，関連付けて考察させることにした。そして，中学１年生という発 達段階を考慮し，トウールミンの考え方に基づいて，資料を「根拠」ととらえ，そこから読み取れる ことを「論拠」として「主張」することができるようなワークシートを作成した。さらに，単元末に は，思考力・判断力・表現力をみとるために，パフォーマンス課題「どこの国の様子か調べてみよう」 に取り組ませる。これらの活動を通して，多様な文化を尊重しようとする態度を身に付けさせ，地理 的な見方・考え方を身に付けさせるとともに，生徒の社会認識を深め拡げていくことにした。 一社７－ 2０ ３単元の学習内容の構造化 複雑な概念・複雑な技能 基本的な知識・単純な技能 ○ ○ ○温 冷 寒帯 帯 帯 ○乾燥帯 世界の気候は，気温や降水戯によって，地 域ごとに違ってくること ○熱帯