高等学校第2学年国语科学习指导案.PDFVIP

高等学校 第２学年 国語科 学習指導案 期 日 平成２４年９月２８日（金）第３時限 場 所 熊本県立宇土高等学校 ２年５組教室 指導者 教諭 鏡山 純史 １ 単元名 「５単元 詩歌 永訣の朝」 教材 精選現代文 Ｐ５５～５９（筑摩書房） ２ 単元について (1) 単元観 本単元は、社会とのつながりや他者とのかかわりが希薄となった現代の状況を受け、生徒に「ほんと うの生き方」「生きる意味」とは何かを問いかけ、自己と対峙し、自他の生命尊重や共生について深く 考えさせるという意義を含んでいる。今回教材として取り上げる宮沢賢治「永訣の朝」は、作者の生前 に発表された『心象スケッチ 春と修羅』中の作品であり、最愛の妹トシへの思いを綴った三連詩「松 の針」「無声慟哭」の冒頭を飾る作品である。この詩は、前半で臨終間際のトシを悼む悲痛な思いが綴 られるが、後半はトシの言葉により賢治の心に変化が生まれ、祈りの言葉で完結するという内面が描か れている。これは、童話 『銀河鉄道の夜』『グスコーブドリの伝記』の世界とも重なり、かけがえのな い命への畏敬や自己犠牲を描いたものと読むことができる。したがって、トシの言葉や 「すべてのさい はひ」などの象徴的な言葉から詩のテーマを探ることは、自己と他者とのかかわりや生命尊重という価 値観を導き、自己の在り方・生き方を見つめる契機をもたらすと考え、本単元を設定した。 (2) 系統観 ６月 ９月 １１月 １２月 小説『山月記』 詩『永訣の朝』 評論『共生シス 小説『こころ』 過剰な自意識や妄 作者の心情や心 テム』 主人公の心理や 執に囚われる主人 象風景を通して 自由な個人とい 行動が描く葛藤 公を通して人間の 作品に流れるテ う生き方がはら から、自己と他 本質を見つめ、現 ーマを捉え、か む問題点を捉 者との関係や人 在の自己の生き方 つ、生徒が自己 え、共生の大切 間が生きる意味 と照らし、今後の の在り方・生き さを認識し、今 を考え、現在の 在り方を考える。 方を深く見つめ 後の生き方を考 自己を深く見つ る。 える。 める。 (3) 生徒観（本単元に関わる生徒の実態 男子２８人、女子１５人、計４３人） ○全体的に落ち着いている。主体的に発言する生徒は見られないものの、授業に対しては前向きに取り 組み、発問や課題にも真剣に向きあう姿勢がうかがえる。 ○国語に抵抗を抱く生徒は少なく、文章を読むことに慣れてきた生徒も増えている。 ○話合いについては全体的に消極的な雰囲気があるが、ワークシートを活用した授業においては自分な りの意見や考えをまとめ、記述しようという姿勢が見られる。したがって、個々のまとめた内容をグ ループ活動に反映させ、各々の考えや意見を深化させられると考える。 ○学習に関するアンケート （４３人） ○自分は勉強すればもっとできると思うか。 思う―３人 少し思う―２９人 あまり思わない―１１人 思わない―０人 理由（思わない：努力していないから、勉強しても伸びないから） ○授業に積極的に取り組んでいると思うか。 思う―３人 少し思う―２８人 あまり思わない―１１人