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「肥料加工学」包装 BSI 生物科学研究所 包装 包装 （packaging）とは、製造された製品の品質、価値および状態を保護するために適切 な材料で製作した容器に入れるまたは資材で包むなどの作業である。 包装の目的は、 ① 製品を保護する。 包装により衝撃、温湿度、酸素、光、臭気、異物、汚れ、傷など製 品の品質や価値を損なう様々な要因から製品を保護する。 ② 製品に利便性をもたらす。 包装により製品を流通する際にその識別や分別を容易にし て、輸送と保管に適した運び易さや置き易さがあり、販売や消費時には識別や携帯、開 封、破棄、または再利用を容易にする。 ③ 製品の情報を伝達する。 包装により製品の内容、効用と使用方法などを表示して、そ の情報を消費者に伝える。 ④ 製品に付加価値を付ける。包装により製品の高級さ、清潔さ、未使用であることを消費 者にアピールして、購入欲を引き立てる。 肥料分野では、製造された肥料の識別や分別、品質保証、異物混入の防止、輸送と保管 を容易にして、適正施用を行うために、通常、出荷する前に包装を施す必要がある。 一、包装容器の種類と材質 1. 包装容器の種類 肥料の包装は、袋とフレコンのようなフレキシブル容器と硬質な樹脂容器に大別される。 1-1. 袋（bag） 袋とは、柔軟な素材で作られたフレキシブル容器の基本的な形状の一つである。用途に よって様々な素材・大きさ・形状のものが利用されている。また用途に応じて様々な機能 が追加された袋もあり、肥料の包装容器として広く使われている。 袋の特徴は、 ① 軽くて柔軟であり、内容物のない時は折り畳むなどして使用前の保管と使用後の廃棄処 分がしやすい。 ② 袋は中のものを漏れないように開口部を締められやすく、肥料粒子のような細かいもの を収めてひとまとめることに向く。 ③ 内容物が外圧の影響を受け、変形しやすい。輸送や保管に際して粉末や粒状等形が流動 的なものに適している。 肥料包装では、固形の粒状や粉状肥料にはポリエチレン、ポリプロピレン材質の樹脂フ ィルムで作った荷重10～25kg の包装袋がよく使われている （図1、図2）。以前はクラフト 紙の紙袋を使うところもあったが、機能とコスト、外観の良さなどが樹脂製の袋より劣る ため、現在はほとんど淘汰された。 1 「肥料加工学」包装 BSI 生物科学研究所 図1. ポリエチレン製肥料袋（PE ポリ袋） 図2. ポリプロピレン製肥料袋（PP クロス袋） 1-2. フレコン（フレキシブルコンテナバック、Flexible conteiners） フレコンはフレキシブルコンテナバックの略称である。フレコンはポリプロピレン、 ポリエチレン製の生地で作られる箱型や円柱型の袋で、上部に頑丈な吊りベルトが付 属しており、クレーン、フォークリフトなどで吊り上げて運ぶことが可能である。また、 多くのタイプは上部投入口の他に下部排出口も備えており、排出時にバッグを引っくり返 す必要がないなど、利用時の使いやすさを配慮した多くの特性を持っている。 フレコンの特徴は、 ① 充填荷重が大きく（0.5～3.0 トン）、粉粒体を大量輸送に適する。 ② 軽くて（2～3kg／枚）、柔軟性があり、使用しない時には小さく折り畳むことができ、 保管場所を取らない。 ③ クレーン、フォークリフトなどで取り扱うことができ、包装、輸送、保管の各流通部門 における合理化・省力化を実現し、トータル輸送システムによる流通コスト低減が可能 である。 図3. フレコン 図4. フレコン様式の1 例(充填荷重1 トン) 2 「肥料加工学」包装 BSI 生物科学研究所 フレコンは、長期間繰り返して使用することを目的として造られたランニング用と、1 回 から数回の使用を目的として造られたクロス用があ