孝 - 明道大学.pdf

明道日本語教育 第一期 日本における中国の 「孝」思想研究 佐野大介＊ 要旨 歴史上、日本は長年中国思想を受入れ、自己の思想の一部とし て思索を重ねてきた。よって、日本の研究者による中国の孝思想 に関する研究は多数に登る。 近五十年の日本の 『孝経』研究を概観してみると、嘗て盛んだ った 『孝経』全体の思想を扱ったものや、経文自体の研究はその 数を減らし、その成立 ・展開及び各注釈などに関する各論が増え る傾向にある。試みに例示すると 「『孝経』の成立」 「『古文孝 経孔安国伝』」 「『孝経鄭氏注』」 「『御注孝経』」 「『孝経刊 誤』」 「『古文孝経指解』」 「『孝経直解』」 「孝経緯」等であ る。 孝研究に関しては、孝の本質に関して、孝を 「実践道徳」とす る津田左右吉氏、 「家父長制度下の封建思想体系」とする川島武 宜氏、 「生命論」とする加地伸行氏、 「母性への依存」とする下 見隆雄氏、 「父母の持つ象徴機能の一部」とする池沢優氏など、 さまざまな見解が見られる。他にも研究テーマは数多いため、本 稿では 「孝の時代性」 「孝と恩」 「孝と忠」 「諫諍」 「仏教 ・道 教の孝」等に分類している。 今後の孝研究は、更なる国際化を進め、各国の研究成果を継承 かつ総合しつつ、発展深化させなければならない。そこで、孝研 究の国際化の一つの試みとして、ここに日本の研究者による中国 の孝思想に対する研究成果を評論し、台湾の学術界に紹介する。 キーワー ド：孝、孝順、孝經、中国哲學、日本 ＊明道大学応用 日本語学科 助理教授 149 日本における中国の 「孝」思想研究 佐野大介 日本的中國「孝」思想研究 佐野大介＊ 摘要 歷史上，日本長年累月吸收中國思想，作為自己思想的一部分 且不斷用心思索。因此，日本研究者的有關中國孝思想的論文不勝 枚舉。 概觀這 50 年來、日本在研究《孝經》方面，可以看出向來大 多研究關於整個《孝經》的思想與經文內容的總論減少，而關於成 立、展開與各註釋書的個論有增加的趨勢。譬如「孝經的成立」、 「《古文孝經孔安國傳》」、「《孝經鄭氏注》」、「《御注孝經》」、 「《孝經刊誤》」、「《古文孝經指解》」、「《孝經直解》」、 「孝經緯」等。 在孝研究上，關於孝的本質，各家有其解釋，包括將孝做為「實 踐道德」的津田左右吉；「家父長制度下的封建思想體系」的川島 武宜；「生命論」的加地伸行；「對母性的依存」的下見隆雄；「父 母所具有的象徵機能的一部分」的池澤優等。並且，還有許多的研 究題目，在本稿上分成「孝的時代特性」、「孝與恩」、「孝與忠」、 「諫諍」、「佛教道教的孝」等。 今後孝的研究，應該更朝向國際化，一邊繼承世界各國的研究 成果，一邊深入研究。本稿是將孝研究作為邁進國際化的嘗試，藉 由評述日本研究者對於中國孝思想的研究成果，向臺灣學術界介紹 關鍵詞：孝、孝順、孝經、中國哲學、日本 ＊明道大學應用日語學系助理教授 150 明道日本語教育 第一期 一、序：研究的孝整体像及代表性的研究書 戰前主要代表性的《孝經》及孝的研究為津田左右吉先生的《儒 教の實踐道德》；探討忠與孝的研究及探討《孝經》的成立與註釋 類的有武內義雄先生的 〈孝經の研究〉及闡明關於法與孝的關係則 有桑原隲藏先生的 《中國の孝道》等 。戰後初期的《孝經》及孝的 研究、主要針對那些研究的成果加以批判及繼承其成果並展開研 究。津田先生將《孝經》的「夫孝德之本也」「夫孝天之經也地之 義也」等，做為《孝經》特徵性的思考，並且釐清了其思想