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No.10 リサーチ総研 金融経済レポート 金融経済レポート No.10 2009/6/19 日本リサーチ総合研究所 調査研究部 危機モードにおける企業マインドを読む 主任研究員 藤原 裕之 03-5216-7314 － 不確実性への適切な対応が脱却への鍵に hiroyuki.fujiwara@research-soken.or.jp 金融危機はひとまず最悪期を脱した感はあるが、企業のリスク回避姿勢は依然として強く、本来実施すべき投資や意思 決定がなされないことから生ずるリスク（第１種の誤り）が大きくなっている可能性がある。需要の低迷が続く中、足 元の需要に応じた「今売れているものを売る」戦略だけでは景気回復のティッピング・ポイントをクリアする原動力に はならない。不確実性に対処する企業の戦略的な行動が不可欠であり、これによって積極的な投資活動が喚起され、い ち早く危機モードからの脱却が図られることになる。 危機モードからの出口戦略 日経平均が一時１万円台を回復し、ほぼ凍結状態にあった社債発行が再開され ～鍵は企業マインドの回復 るなど、昨年から続く金融危機はひとまず最悪期を脱した感がある。実際に最悪 期を脱したかどうかは依然予断を許さないが、次なるテーマとして、危機モード からどのように脱却するかという出口戦略が関心事となっている。その際に重要 な鍵を握るのが企業マインドであり、危機の後遺症を残すことなく積極的な戦 略・行動に出られるかどうかにかかっている。 設備投資 DI の実績と予想の 昨年秋以降の世界的な需要の急減を受け、企業マインドの状態を反映する設備 ギャップは石油ショック時 投資は製造業を中心に大きく減少した（図表 1）。日銀の短観では、製造業を中心 以来 に設備過剰感が急速に上昇している。特に注目すべきは、実績と予測のギャップ の大きさであり、今年 3 月の実績値（36）は、昨年 12 月時点の 3