俯瞰区分と研究开发领域-科学技术振兴机构.pdf

研究開発の俯瞰報告書 環境分野（2017年） 105 ３．俯瞰区分と研究開発領域 ３. １ 気候変動区分 気候変動区分では、下記の2 つの研究開発領域を設定した。なお、緩和策についてはエネ ルギー分野で取り扱う研究開発領域が該当すること、また、森林や農地土壌の温室効果ガス （GHG）吸収や農地土壌による GHG 排出抑制は、気候変動区分の「気候変動影響予測・評 価」、および、循環型社会区分の「農林水産業の環境研究」で取り扱うことから、研究開発領 域として設定していない。適応策については、気候変動影響予測・評価に基づいて行われる ため「気候変動影響予測・評価」の一部として扱う。 3.1.1 気候変動予測 3.1.2 気候変動影響予測・評価 俯 区分の概要を以下にまとめる。 瞰 区 気候変動予測について、観測では、衛星による観測性能が温室効果ガス全体の把握から二 分 と 研 酸化炭素のみを精密に観測するまでに進んできた。陸域の炭素循環を解析するため、二酸化 究 開 炭素等のフラックス観測を行うタワーが世界各地に建設され、データの共有が始まっている。 発 領 温室効果ガス観測衛星では、GOSAT （日本、2009 年）、OCO-2 （米国、2014 年）、TanSat 域 （中国、2016 年）、今後は、GOSAT-2 （日本、2017 年）、MicroCarb （フランス、2020 年） の打ち上げが予定されている。日本はGOSAT を持ち基礎研究で世界の中心にいる。米国は 雲・エアロゾルの三次元情報が得られるレーザレーダ（LIDAR）を用いた大規模な基礎研究 を行い、衛星開発で培った技術を地上展開する企業が現れてきている。欧州は、EU が推進 する Copernicus 計画で衛星データの実利用を推進する応用研究が急速に進む。地球システ ムモデル（ESM ：Earth System Model）では、米国は航空宇宙局（NASA）や大気研究セ ンター（NCAR）など多数の研究機関が基礎・応用研究に取り組み世界をリードしている。 欧州は7 つのESM 開発チームがEU のプロジェクトCRESCENDO に参加し、基礎・応用 研究ともに強い。日本はオリジナルのモデル開発を行い研究コミュニティーの能力は高い。 気候変動影響予測・評価について、水循環では、米国は衛星情報を利用した全球スケール のデータ構築などで圧倒的な力を持ち基礎研究が強い。欧州は全球水文モデル