统合呼吸器定期试验问题解说85期.docVIP

平成18年5月9日 平成18年度　臨床医学系統合科目「統合?呼吸器」試験 ※設問に対する解答（アルファベット）を別紙解答用紙に記入しなさい。 問1．気管支にあって細気管支にないものはどれか （1）平滑筋 （2）軟骨 （3）気管支腺 （4）Clara細胞 a：（1）（3）（4）　　b：（1）（2）　　c：（2）（3）　　d：（4）のみ　　e：（1）?（4）のすべて 　気管支内腔を裏打ちする線毛上皮細胞に埋もれるように杯細胞が存在する。杯細胞は分泌果粒を蓄え、粘液を分泌し内腔を適度に湿らせ、異物が線毛上皮細胞による線毛活動によって排除されやすい環境を作っている。気管支腺は線毛上皮細胞の下の粘膜固有層に存在し、杯細胞よりも多量の粘液を内腔に分泌する。粘膜固有層の下には平滑筋があり、その外側に軟骨が散在する。 　細気管支（直径1mm以下　文光堂「内科学」）より末梢になると、軟骨が消失し、平滑筋量が減少する。また、粘膜下の腺組織がみられなくなる。また、杯細胞がほとんどなくなり、その代わりのClara細胞が出現する。Clara細胞は立方状細胞で表面に短い微線毛をもち、内腔よりの細胞質にはサーファクタントを貯蔵した顆粒をみる。呼吸細気管支領域は乱気流が生じやすく異物が上皮細胞に接触する可能性が高くなる反面、繊毛活動を担当する細胞が欠如しており、また、内腔が狭く、血管が網の目のように密に吻合しており、一ヶ所に生じた炎症が周囲に広がりやすいため、びまん性肺疾患、粉塵?高濃度酸素曝露の標的部位であるが、これらの障害時Clara細胞は増生を来す。さらに線毛細胞に分化するという報告もある。 正解：c 問2．呼吸生理学上の略号について正しいのはどれか （1）PAO2は動脈血酸素分圧を表す （2）Q/Vは換気血流比を表す （3）HbO2は酸素飽和度を表す （4）VD/VTは死腔率を表す a：（1）（3）（4）　　b：（1）（2）　　c：（2）（3）　　d：（4）のみ　　e：（1）?（4）のすべて 　PAO2は肺胞酸素分圧。動脈血酸素分圧はPaO2。 　換気血流非は肺胞換気量V／毛細血管血流量Q。V／Q＜1のときPAO2は低下し、V／Q＞1のときPAO2は上昇する。肺上部は心臓より上にあり肺底部は心臓より下に位置するので、重力の影響により、Vが一定だとすると、V／Qは肺上部で上昇し、肺底部で減少する。つまり、PaO2は肺上部で高い。このため、好気性菌の結核の病巣は肺上部に好発する。 　酸素飽和度は総Hb中の酸素化Hbの割合でありSaO2で表わす。HbO2は酸素化Hbのこと。 　死腔率は生理学的死腔量VD／１回換気量VT。死腔には解剖学的死腔と生理学的死腔がある。前者はガス交換に与らない鼻腔?口腔から終末細気管支までの気道のことで、約150mlになる。１回換気量は約500mlだが、呼気時最初に出てくる150mlは死腔由来、続く350mlが肺胞由来のガスである。後者は解剖学的死腔＋肺胞死腔で表わされる。肺胞死腔は換気血流不均衡により生じた、ガス交換には与らなかった無駄な換気量のこと。正常では肺胞死腔はゼロであり、前者と後者は一致する。 正解：d 問3．安静換気時に使われる主要な呼吸筋はどれか （1）外肋間筋 （2）胸肋間筋 （3）胸筋 （4）内肋間筋 （5）横隔膜 a：（1）（2）　　b： （1）（5）　　c：（2）（3）　　d：（3）（4）　　e：（4）（5） 　安静時換気時に使われる主要な呼吸筋は横隔膜と外肋間筋。横隔膜が収縮することにより胸郭容積が拡大する。外肋間筋は肋骨を挙上して胸郭を拡大する。安静時換気時の吸息運動の75%を横隔膜が担当する。内肋間筋は肋骨を引き下げ、胸郭を狭めるので、呼息筋として機能するが、横隔膜が弛緩すればそれだけで呼息できるので、内肋間筋は努力呼息時に重要な機能を果たす。胸肋間筋、胸筋も補助呼吸筋として努力換気時に機能する。 正解：b 問4．線毛の微細構造異常を特徴とするKartagener症候群の３主徴はどれか （1）発汗異常 （2）気管支拡張症 （3）男性不妊 （4）内臓逆転症 （5）肺血栓塞栓症 a：（1）（2）（3）　　b：（1）（2）（5）　　c：（1）（4）（5） d：（2）（3）（4）　　e：（3）（4）（5） 　immotile cilia症候群は線毛の超微細構造異常に基づく全身の線毛機能不全症であり、反復性副鼻腔?肺感染、女性の低受精率、男性の不妊症を特徴とする常染色体劣性遺伝疾患である。気管支拡張症、内臓逆位、慢性副鼻腔炎を3主徴とするKartagener症候群は本症の一型とみなされる。慢性の気道感染は気管支拡張症に発展する。内臓逆位の機序は不明だが、内臓の位置決定には適切な線毛活動が不可欠であると考えられる