白山开山1300年祭基本理念.PDF

白山開山1300 年祭 基本理念 「みんなでつくる郡上 －人と自然が調和した 交流文化のまち－」これは郡上市ま ちづくりの基本理念です。 この「人と自然の調和、交流文化」の起源というべきできごとが、今から 1300 年 前の西暦 717 年(養老元年)、奈良時代の高僧・泰澄大師が、それまで神のすむ神聖な 霊山として人が足を踏み入れることのなかった「白山」に初めて登頂した「白山の開 山」であったといえます。 この泰澄大師による白山開山が、自然崇拝の山(神) と人の智恵(仏教) とが融合した 神仏習合・白山信仰の始まりとなり、白山山麓の加賀、越前、美濃の三馬場と禅定道 (登山道)筋にはそれぞれ寺社や集落が形成され、人、物、情報などが行き交い、白山 山麓特有の生活文化が培われてきたのです。 郡上市はその三馬場のうち、白山信仰の太平洋側の拠点である「美濃馬場」が置か れた地であり、｢美濃禅定道｣における白山登拝への登り口として、かつては「上り千 人、下り千人」といわれるほど多くの来訪者を集めました。 また、郡上からも「御師」と呼ばれる人たちが、白山の信仰を広めるため日本の各 地へ出向くなど、白山とその信仰を通じたさまざまな人や地域の交流がありました。 そのような交流の歴史から生まれた文化は、郡上おどりや白鳥おどり、市内各地に 伝わる神楽などのさまざまな伝統芸能や、遠く東北・奥州藤原氏寄進の虚空蔵菩薩坐 像をはじめとする多くの文化財として今に息づいています。 西暦 2017 年(平成 29 年) は、このように郡上の成り立ちにも大きな影響を与えた白 山の開山から 1300 年目という記念の年となります。 郡上市では、この重要な節目となる年に 1300 年の悠久の歴史を見つめ直し、白山 の自然と信仰が育んだこの白山文化を若い世代や子どもたちへ継承するとともに、環 白山地域間の交流・連携を通じ、まちづくりの基本理念への理解がさらに深まるよう 「白山開山1300 年祭」に取り組んでまいります。 ■ 白山開山 1300 年祭事業テーマ つなげよう 悠久の歴史に息づく白山文化 ◆ 悠久の歴史のなかに 今がある ・白山開山を契機として育まれてきた文化は、1300 年の時を超え、郡上市 のめざすまちづくりの理念として息づいています。 ◆ つなげたい 次世代へ ・白山とその信仰に培われた、人と自然との共生・歴史に育まれた芸能や文 化・地域交流を、この 1300 年祭を機会として今一度みつめ、次の世代へ とつなげていきます。 白山開山 1300 年祭 基本方針 2017 年(平成 29 年) に白山開山 1300 年を迎えるにあたり、基本理念に基づき、 下記の方針に関わる事業を推進します。 1, 人と自然との共生 白山開山 1300 年祭を通じ、白山の自然への畏敬とともに続いてきた人々の営みを見つ め直し、豊かな森林と清流に恵まれた郡上における人と自然との共生の在り方について 考える機会とします。 2, 白山文化の再認識と継承 白山の開山から 1300 年の歴史と伝統に培われた、白山をめぐる文化を今に生きる私た ちが再認識し、次世代につなげていくとともに、郷土に対する誇りと愛着を高める契機 とします。 3, 白山を通 じた交流と連携 白山開山 1300 年祭を機会に、イベント等を通じて長い歴史の中で築かれてきた白山麓 の交流をさらに深め、さまざまな地域との連携を高めていきます。