农村型地域需要.doc

第４節　農村型地域ビジネスの需要をさぐる １．「食」の健康?安全志向 　農林漁業金融金庫の調査によると、食に対する志向のうち１番目に強い志向は「健康?安全志向」が 29.6％で最も高く、次いで「美食志向」が 19.2％、「経済性志向」が 16.6％となっている。年齢が高くなるほど「健康?安全志向」は強まる傾向があり、50～59歳層では41.2％が「健康?安全志向」を1番目にあげている。 出所：農林漁業金融公庫　「食料供給に変動があった場合の購買行動に関するアンケート」２００５年３月 　野菜の主な購入先を見た場合に特徴的なのが、直売所が小売店と肩を並べるほどになっており、生活協同組合に並ぼうとしている。高級志向の人が直売所で買うケースが多い（１４．３％）。直売所で購入する人の割合は九州、四国では10％ないしはそれ以上になっているが、東北ではまだ２．９％にすぎない。東北では今後伸びる余地があることを示しているといえよう。 ２００４年１１月１０日付の河北新報は、「野菜の高値が続く中、青森県南地方では『スーパーよりも安い』と産地直売施設が人気を集めている。台風の直撃を免れて作柄が良かったことに加え、生産者の顔が見えるため、便乗値上げはせず、逆に価格を抑える傾向さえあるという。直売施設で大量購入し、首都圏などに送る人も現れ、人気はしばらく続きそうだ」という記事を載せている。 さらに同紙は安値の背景として「産直に持ってくるのは自分たちで食べる分を作る地元の小規模農家。もうけようというのではないから、市場価格に左右されない」、また、「産直施設は地域から逃げられない。農家のお母さん方は自分が買う立場で考えているから」という関係者の声を載せている。 一方、２００５年１月３日付の日本農業新聞には、産直についての農村開発リサーチ田中満代表のコメントが掲載されている。それを要約して紹介したい。 ～産直は１兆円産業になる～ 農産物直売活動は数少ない成長産業で売上高は１兆円を超えるだろうと、５年前から各地で話してききたが、当時は「夢物語」と冷やかされた。ところが、それが現実味を帯びて来ている。 　都市農山漁村交流活性化機構の全国アンケートを基に推定したところ、２００２年度の有人周年運営直売所は全国に２８００店、総売上高は２５００億円であった。それに季節販売直売所、スーパーやＡコープ内の直売コーナー（インショップ）などを加えた直売活動総売上高は４０００億円前後と想定できる。 ～本物野菜を直売所で買うのが常識の時代が来る～ 　岩手や群馬、高知、佐賀、熊本、宮崎では直売所間競争が始まっています。そのほかの都道府県は発展段階で、今から急速に伸びそうだ。 　アンケートに回答した店の３割で売上高が１億円を超えている。　 全体で２００８年度には１兆円になるだろう。直売所とインショップの競争が激化しつつ共に発展。鮮度が望まれる葉物と果菜類の流通は直売が主流で、市場経由は補完的な位置付けになる可能性もある。「消費者はおいしい採りたて本物野菜を直売所で買うのが常識」という時代の到来である。 農産物分野に小ビジネスであっても、大資本のスーパーと戦える市場があるということを物語っている。農林水産省は地産地消の推進のため、直売所の整備の推進を政策にかかげており、平成14年3月30日農産物直売所に出荷している生産者の中には自分自身がどういった農業を行っているかという情報を消費者に伝えたいと願う人がいる。また、消費者にも有機農産物や特別な作り方をしている農産物の購入を選択する人が増えており、これからは農産物についてのより詳しい情報の開示が必要になってくるのではないかと思っている地産地消で顔の見える関係ができてきて、昔あったような生産者と消費者が行ったり来たりするといった関係が、日本中にできるようにしたい平成10年3月農産物直売所「やはば百笑倶楽部」呼びかけにより結成した産直で。現在会員数26名サプライチェーンマネジメント（ＳＣＭ）システム有機農産物の生産から流通まで ４．グリーン?ツーリズム 関東農政局が平成１４年に行ったグリーン?ツーリズムに関するアンケート調査によると、「農産漁村でどのような体験がしてみたいか」という問いに対して、次のような回答が寄せられた。 １位　その土地の名産品をつくる?食べる（７４％） ２位　自然体験（６７％） ３位　森林浴（５６％） ４位　農業体験（４９％）　 一方、いくつかの自治体でも同様な調査が行われており、静岡県が行った調査では、山漁村の魅力について聞いたところ、 １位　　山や海などの豊富な自然や澄んだ空気と新鮮な産物自然とふれあい、ゆっくり、リラックスできる歴史や文化、風土、伝統、家並など懐かしく美しい景観では、「農村地域ではどのように過ごしたいか