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生徒の興味を引く素材の研究（数学Ⅱ） 岐阜県立土岐商業高等学校 築樋 良文 研究の動機 最近の生徒は考えることを避ける傾向がある。ＷＨＹに特に拒絶反応を持っている。その様な状 況では生徒は証明などをどれほど丁寧に説明されても、厭きることはあっても理解することはない。 そこで生徒の興味を引くにはどうしたらよいか。興味を持てば少しは考えるようになるかも知れ ない。そのためには思わぬ結果が出る例や、将来の仕事に役立っている例を紹介することにした。 実践 (1)剰余の定理 中国剰余定理 （ＲＳＡ法に利用） ＋(正整数)且つ(a，b)＝1とし、m，n ∈Ｎとするとき、 a，b ∈Ｎ x ≡ m (moda) x ≡ n (modb) なる 整数x はab を法としてunique に定まる。 の解を構成する証明法を利用すれば、 x の整式 P( x ) をx －αで割ると余りがm、x －βで割ると余りがn であるとき、整式 をP( x ) を(x －α)( x －β) 割ったときの余りを求めよ。〈ただしα≠βとする〉 m −n nα−mβ の解は x + α−β α−β であることが分かる。（実際の授業ではα, βは具体的な数値を用いた。） 演習１ 整数Ｎを3 で割っても、5 で割っても余りが２であるとき、整数Ｎを 15 で割ったときの余 りを求めよ。 演習２ 整数Ｎを3 で割ると余りが 1、5 で割わると余りが2 であるとき、整数Ｎを 15 で割ったと きの余りを求めよ。 演習３ 整数Ｎを3 で割っても、5 で割っても、7 で割っても余りが2 であるとき、整数Ｎを 105 で割ったときの余りを求めよ。 演習４「今有物不知其数、三三数之剰二、五五数之剰三、七七数之剰二、問物幾何。」 孫子算経 訳（3 で割ると2 余り、5 で割ると3 余り、7 で割ると2 余るその数は何か。） 注 ただし解は105 以下の自然数でもとめる。そこでこの問題を百五減算とも言う。 （2）解と係数の関係 (対称式の値) 2 次方程式x2 －ux ＋v ＝0 の2 解をα, βとするとき.その対称式の値を求める。 α＋β＝u αβ＝v であるから 2 2 2 2 (1) α＋β ＝( α＋β) －2 αβ＝u －2v 3 3 3 (2) α＋β ＝u －3 uv 2 2 3 α β u −3uv (3) + ＝ β α v 4 4 4 2 2 (4) α＋β ＝u －4u v ＋2v 5 5 5 3 2 (5) α＋β ＝u －5 u v ＋5 uv … −1 −1 α+β n n さて ｎ∈Ｚに対しα ＋β ＝u (n) とおくと、u(−1) α +β で αβ n±2 n±2 n±1 n±1 ±1 ±1 n n α +β