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植物由来環境化学因子の高次脳機能に及ぼす影響 みどりの香り みどりの香りの生理作用 「ヒトは何故にみどりの香りで　リフレッシュされるのか！」ー神経生理学的アプローチー 「リフレッシュ」 方　法 みどりの香り嗜好性 ラットのニオイ嗜好性 * 九州工業大学大学院　生命体工学研究科 脳情報専攻　高次脳機能講座　 認知神経科学分野 粟生修司 （Aou Shuji） 認知神経科学 　緑葉が放つみどりの香りは葉緑体膜の脂質から作られ、動物にとって必須脂肪酸であるαリノレン酸やリノール酸がリポキシゲナーゼで分解されてできる炭素数６のアルコール４種およびアルデヒド４種の異性体の集団の総称。cis-3- hexenol（青葉アルコール）およびtrans-2-hexenal（青葉アルデヒド）がさわやかでフレッシュな葉や野菜のニオイの中心的な成分である。 (3Z)-Hexenol (Leaf alcohol) (3E)-Hexenol (2E)-Hexenol n-Hexanol OH OH OH CHO (3Z)-Hexenal (3E)-Hexenal (2E)-Hexenal (Leaf aldehyde) n-Hexanal CHO CHO CHO OH １）植物：外敵の侵入に対する防御と警報（畑中1988 ） 　　　　　他感物質（アレロパシー）（藤井ら1999） ２）昆虫：（畑中1988） 　 摂食誘発（カイコ） 、交尾誘発（ヤママユ） 　 脱皮促進因子（アカエグリハ）、 　 通信?警報?攻撃フェロモン（アリ） 　 保護色（アゲハチョウ）、悪臭物質（カメムシ） ３）哺乳類 　 ヤギ摂食抑作用(Dohi et al 1997) 　 ラットストレス応答抑制作用(山岡ら 1998,1999) ４）ヒト 　 官能試験による評価とその化学構造との相関 　　　　(Hatanaka et al 1992; 佐野ら1999） 　 鎮静作用／P300抑制作用（菅野ら1996） 　 鎮痛作用（粟生ら2000） みどりの香りの「リフレッシュ作用」とは どのような生理作用か？ どこでどのようにして発生するのか？ 身体および脳で何が起こっているのか？ 元気が回復すること。精神的?身体的疲労感が消え、新鮮でさわやかな気分になること。 快適になる　　　 → 快感、報酬感を誘発する。 鋭敏で活発になる → 感覚運動反応性や活動性が上昇する。 精神的にくつろぐ → 不安?心配がなくなる。 身体的にくつろぐ → 身体的苦痛がなくなる。 生理機能 リフレッシュ効果 高架プラス 迷路試験 不安尺度試験 顔スケール オープンフィ ールド試験 情動 （不安?心配） 感覚運動 機能 身体的にくつろぐか？ →苦痛が減弱するか？ 精神的にくつろぐか？ →不安が減弱するか？ ラット ヒト ホットプレ ート試験 侵害受容 単純反応時間 選択反応時間 接近行動 10cm線分法 嗜好性 鋭敏?活発になるか？ →感覚運動反応性や活 　動性が上昇するか？ 快適になるか？→ 快感を誘発するか？ アナルゲジー メーター 0 10 20 30 40 50 60 快 不快 中性 % 花の香り (25) 木の香り (12) みどり の香り (8) 植物の香りに 対する嗜好性 N = 45 N = 68 34 18 16 5.02 ± 1.37 (SD) 10cm 線分法 0：非常に不快?10：非常に快 みどりの香り みどりの香り 溶剤 溶剤 ニオイ容器への接近行動を平均距離で評価 0％ 0.0003% 0.003% 0.03% 0.3% 50 20 30 40 みどりの香り 溶剤 ニオイ容器からの平均距離(cm) ラットのみどりの香り嗜好性 N = 12 みどりの 香り みどりの 香り 溶剤 溶剤 ニオイ容器への接近行動を滞在時間で評価 快適性の評価：ニオイ嗜好性 みどりの香り 0 25 50 75 100 125 150 175 200 225 近接ゾーン滞在時間 .0003 .003 .03 .3 % 0 みどりの香り 溶剤 みどりの香りへの嗜好性は認められない sec Long-Evans 生理機能 リフレッシュ効果 高架プラス 迷路試験 不安尺度試験 顔スケール オープンフィ ールド試験 情動 （不安?心配） 感覚運動 機能 身体的にくつろぐか？ →苦痛が減弱するか？ 精神的にくつろぐか？ →不安が減弱するか？ ラット ヒト ホットプレ ート試験 侵害受容 単純反応時間 選択反応時間 嗜好性 鋭敏?活発になるか？ →感覚運動反応性や活 　動性が上昇するか？ 快適になるか？→ 快感を誘発するか？ アナルゲジー メーター 中性 中性 ＋ ー 0 みどりの香りは単純反応