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　　Kobe University Repository : Kernel Title 基調講演 「大学の教育改革」(大学教育研究センター第3 回研究集会) Author(s) 天野, 郁夫 Citation 大學教育研究, 04: 121-127 Issue date 199603 Resour e Type Departmental Bulletin Paper / 紀要 文 Resour e Version publisher URL http://www.lib.kobe-u.a .jp/handle_kernel Create Date: 2013-08-11 研究集会 基調講演「大学の教育改革」 ドイツの、あるいはヨーロッパの大学をモデルに研究を重視 天野郁夫(東京大学大学院教育学研究科長) する大学にならなければいけないいうことで、大きな変革を 遂げていくわけです。通常、カレッジからユニパーシティへ 御紹介いただきました、東京大学の天野でございます。 というような言葉で、言われておりますが、教育から研究を重 センターの3回目の集会だそうですが、基調講演というこ 視する大学へと大きな変化が19世紀の後半に起こった。その とでお招きいただきまして、大変光栄に思っております。 中で、それまで単なる教師であった大学の教授が、研究者と 実は、このセンターが発足するに当たりましては、前の学 しての地位を認められて地位を高め、学問の自由や大学の自 長の鈴木正裕先生と、国立大学協会の会合等でよく顔をあわ 治とを獲得していく、そういうプロセスをリースマンは研究 せていたということもございまして、先生からいろいろ意見 革命と言った方がいし、かもしれませんが、大学革命と呼んだ を聞かれたりしたことを思い出しております。 3年たちまし わけです。 て、類似のセンターがあちこちの大学にできはじめておりま そうしたアメリカの大学革命と比べて、日本で今、起こっ すけれども、歴史が古いというのは変ですが、もう 3年もた ていることも大学革命と呼んでもいいような大きな変化かと ったのかなあという思いと同時に、一番活気に満ちたセンタ 思いますが、全く違っていて、これまでドイツ的な研究重視 ーになっているのではなし、かという思いでおります。 の大学であったものが、教育重視の大学の方に大きく変わる 本日は、 「より良き教授者になるために」というタイトル ことを迫られている。そういう意味で、これを「教育革命」 の集会だそうで、お招きにあずかったわけですが、私自身は と呼んだらどうかと考えたわけです。 あまり良い教授者ではありません。より良き教授者になるた 日本の大学の教員が、教育と研究のどちらを重要だと思っ めの話などはとてもできませんので、きょうは、 「大学の教 ているかと質問をされますと、大半が研究重視と答えるとい 育改革」という漠然としたタイトルになっておりますが、 45 うことは、これまでいくつもの調査で知られております。ご 分の時間をいただきましたので、お話をさせていただきたい く最近アメリカの研究者が中心になって行いました14カ国の と思っております。 比較研究でも同様です。その数字によりますと、日本では教 先ほど、司会の方からも御紹介いただきましたが、 9月の 育と研究とどち