基調講演「大学改革と大学教育改革」(大学教育研究セ.pdfVIP

　　Kobe University Repository : Kernel Title 基調講演 「大学改革と大学教育改革」(大学教育研究セ ンタ-第1回研究集会) Author(s) 新野, 幸次郎 Citation 大學教育研究, 02: 55-63 Issue date 199407 esource Type Departmental Bulletin Paper / 紀要 文 esource Version publisher U L http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel Create Date: 2013-08-11 研究集会 基調講演「大学改革と大学教育改革」 ります。一つは、設置基準の中をご覧いただきましでもおわ 新野幸次郎(神戸大学名誉教授) かりになりますように、制度の改革の問題でございます。も う一つは、その目的であります内容の問題、ことに教育の改 どんな改革でも、近頃私はあちこちで経済の話の中でも申 革という問題でございます。大学設置基準につきましては、 し上げているんですけれども、危機感がないと改革の切っ掛 皆さんが既に改正でご覧いただいたとおりでございますが、 けというのは得られないもののように思います。神戸大学が 例えば、認可の手続きでございますとか、学部設立の条件で 改革を大規模にやることができましたのは、全学の教職員の ございますとか、一般教育と専門教育はどういう具合に関連 皆さん方が「現状ではいけない、何とかしなくちゃいけない」 を持っかとか、それから、カリキュラムだとか図書館だとか、 という大変な危機感をお持ちになっていて、その危機感の中 あるいはいろんな施設・設備というようなものにつきまして、 から新しいビジョンづくりをおやりになった、ただしビジョ あるいは授業時間でございますとか単位の計算でございます ンというものは大抵、総論は賛成でも各論になると反対が出 とか、細かいところも含めまして、制度改革というのが改正 てくるものでございますけれども、危機感の強さがあったた の一つのポイントになっております。 めに、ビジョンづくりを実行していくときの各論の反対まで もう一つが、教育内容についての改革でございまして、例 いろんな形で整理でき、改革が実現できたものだと確信して えば、新しい設置基準の第2条に自己評価の項目がございま おります。そういう意味で、大学を辞めた者がこんな所でお す。そこをご覧いただきましたらわかりますが、大学、ある 話をする機会を得られたことを、大変光栄に思いますと同時 いは学部の設置の理念・目的に添うように教育課程を編成す に、本学の学長を始めとされまして、教職員の皆さん方が大 るように、という趣旨が教育課程のところで述べられており 変なご尽力をなさったことに心から敬意を表して、本日の話 ます。そういう形ではっきりと成果を上げうるような手続き に入らせていただきたいと思います。 を踏んで自己評価をしていくことが望ましいんではないか、 先ほど、後藤先生のお話を聞いておりますと、学長挨拶を というわけです。 抜きにして印刷ができたようで‘ございまして、こういうとこ そこで、まず第一の学部改革という制度面の改革の方は、 ろが、かえっていろんな行事をやっていく上でうまくいった